新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

移民問題のむつかしさー家族帯同問題と定住

 今日は専門学校の授業でした。夕方から忙しいので今これを書いています。相変わらず留学生の勉強意欲は低いです。とにかく時間が過ぎるのを待つだけです。
 対話形式にしようとしても面倒がって乗ってきません。簡単に言えばこちらが聞いても答えないのです。授業の負担を出来るだけ簡単にすませて、アルバイトの余力を残したいようです。
 それと早く終わるようにという要望が強いです。外国人とくにベトナム人の場合、一度要求を呑むとどんどんエスカレートしてきます。本当は5分くらいなら早くやめてもいいのですが、5分が10分、10分が15分と伸びる可能性が高いので全く認めないことにしています。
 ところで、最近移民に近い形を認めようという動きがあります。NHKのクローズアップ現代でも扱っていました。実習生と留学生では人手不足を補うことはできません。
 また都市だけでなく地方でも人手不足は深刻です。政府としては移民を認めてもいいのでしょうが、保守派の反対を怖れています。
 おじさんの場合、以前は移民に賛成だったのですが、今教えている留学生を見ると、もろ手を挙げて賛成とはいかないのです。一番大きな問題は言語も含めて文化の問題です。
 日本人なら時間を守ったり、時間前に登校したり着席したりするのは常識です。しかし、留学生は時間ぎりぎりか遅刻がつくぎりぎりのところで来ます。
 上の人の言うことに素直に従うということも難しいです。また日本語を教えていると分かったのですが、日本語は相手にあわせて言葉を変えます。
 敬語がその典型です。また類似する多様な表現とかあいまいな表現がとても多いです。日本の文化は料理なども含めて極めて繊細だと言われます。
 微妙な違いがあるのです。それは文化の一分野である言語つまり日本語についても言えます。企業で働いたり、大学で勉強できるレベルの日本語を習得できるのは、今いる留学生の2割程度でしょう。
 これに日本語が全くできない家族を呼び寄せたり、日本で子供が生まれて日本の学校に行くようになると大変です。今中学で仕事をしていますが、中学の授業が理解できない生徒がクラスの2割くらいいます。
 日本人の子供でもそのレベルですから、日本語を十分理解できない両親のもとで育つ外国人の子供を教育する現場は大変だと思います。
 また移民を受け入れたはよいが、その移民の社会保障はどうするのでしょう。今日本でも無保険者が問題になっています。健康保険料が払えないのです。
 非正規社員の場合、一旦仕事を切られると途端に経済的に行き詰ります。外国人の場合さらに厳しいでしょう。移民で仕事を失ったからと言って故国へ送還するわけにもいきません。
 まして日本で生まれた子供は故国の言葉や文化に馴染めません。同じ漢字圏の残留孤児の子供たちもずいぶん苦労したようです。韓国でも脱北者が韓国になじまず困難に陥っているという話があります。
 東西ドイツの統一時でも同様でした。まして言語や文化が全く異なるベトナムやネパールの人を受け入れるのは難しいと思います。
 中国人が同じ漢字圏なので良いのですが、中国もまもなく人手不足になります。移民をどうするかはとても難しい問題です。答えはたぶんないと思います。
 文化摩擦による国内の混乱を覚悟してでも人手不足解消に向かうのか、静かにアジアの小国としてひっそり生きるのか二つの道しかないでしょう。
 明日は以前勤務した高校の同窓会があります。