新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日米首脳会談の結果ー足元を見られる日本

 今日はまもなく同窓会に行くので今これを書いています。日米首脳会談が終わって会見が行われていました。会見の結果は首脳の表情によく出ています。
 トランプ大統領は上機嫌でしたが、安倍首相は不機嫌そうでした。笑顔は全く見れれませんでした。会見の内容から考えれば当然です。
 安倍首相が望んだ「最大限の圧力」という言葉が使われなかったのです。日本は一番制裁に力を入れていました。と言っても日本の制裁は限度があるので、アメリカの制裁に期待したのです。
 しかし、すでに心はシンガポールに飛んでいたトランプ大統領には響きませんでした。いろいろ言っていますが、制裁を緩めることで北朝鮮と妥協しているはずです。
 拉致問題についても話題に上げると言っていますが、トランプ大統領にとっては主要なテーマではありません。金委員長が分かりました、十分検討しますと言えばそれで終わりです。
 後は約束は果たしたから北朝鮮と話し合って何とかしろということになるでしょう。それに大人の世界では人に何かをただで頼むわけにはいきません。トランプ大統領商売人ですからきっと何らかの見返りを求めたと思います。
 そのあたりは語られていませんが何かあるはずです。さらに安倍首相は日朝首脳会談を提唱しています。これもトランプ大統領から自分のことは自分で片付けろといわれたはずです。
 強硬姿勢をこれまで貫いてきたのに、いまさら北朝鮮は素直に会談に応じてくれないでしょう。北朝鮮としてはアメリカの属国の日本の言うことなど聞く必要はないのです。
 親分のアメリカと話がつけばそれで十分です。おまけに日本以外の関係国とはすでに会談済みです。商売人のトランプ大統領にとって日本は都合の良い財布のようなものです。
 北朝鮮との話し合いで、日本に金を出させる話は出るでしょう。トランプ大統領にとって日本がいくらお金を払っても自分の懐は全く痛まないのです。
 それどころか北朝鮮にいい顔をすることができます。日本がお金を出すことに反対する国はありません。問題は国内です。核問題同様拉致問題でも一気に片付くはずはありません。
 となると国内では拉致問題が解決するまでお金を出すなと言われ、アメリカからはお金を出してでも何とかしろと言われるでしょう。
 そもそも拉致被害者の全員帰国が前提となるとちょっとやそっとでは話が進みません。しかし、日本側が納得するまでお金を出すなという世論があるでしょう。
 あれかこれかのような結論の出し方は国際交渉では難しいです。よく言われるのがウインウインの関係ですが、北朝鮮との交渉では難しいと思います。
 しかし、安倍首相が会談を提唱したのですから、よほど追い詰められていると思います。北朝鮮としては別に日本と会談する必要はないのです。
 さりとて日本はこのまま米朝首脳会談でことがどんどん進んで行けば、取り戻せない状態になります。韓国・中国・ロシアにとって日本がどんなに困っても構わないのです。
 保守派の人が頼りにする台湾も朝鮮半島問題に関しては全く蚊帳の外なのです。東南アジア諸国やインドも蚊帳の外です。
 日朝首脳会談をしなければならないが、国内の反対は強いです。今日のテレビ番組でも日本はどしんと構えていればよいという意見が大半でした。それができるなら安倍首相も日朝首脳会談を話題にしたりしません。
 安倍首相の支持基盤が反北朝鮮あるいは反朝鮮半島の人たちなので、さらに困るでしょう。下手に妥協的なことを口にすれば、安倍首相が大好きなネット右翼の人が一斉に離れていくでしょう。某女史などその先頭を切ると思います。安倍首相が前回のように政権を投げ出さないのを願っています。
 明日は日曜日なので教会です。