新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

学力テストの成績と給与問題

 今日の相場は数十円高のようです。国際政治がからんでいるので、相場を経済合理性だけで考えることはできません。とにかく投資家にとってトランプ大統領は大迷惑です。
 ところで、先日から大阪市の市長が学力テストの結果が悪いと教員の評価を下げるという発言をしています。教育現場にいるものからしたら、全くバカげた意見です。
 思い出すのはおじさんが若かった頃、日教組は教師は労働者だと言い、自民党は教師は聖職者だと言いました。今頃教師のことを聖職者だと思っている人はいません。
 大阪市長も教師は労働者なのだから、成果に対して賃金を支払うということになるのでしょう。しかし、いくらでも反論はできます。
 まず文部科学省は学力テストはあくまでも生徒の学習の参考にするのであって、他と比較するためのものではないと言っています。学力テストの結果を教師の評価に使うのは学力テストの目的外使用です。
 かって、学力テストが学校の評価に使われたために、事前に過去問をやったり、成績不振の生徒を休ませたりしたことがあります。その弊害が大きくてやめたという経緯があったのです。
 さらにいえば、学力と家庭環境とくに経済力とが大きくかかわっていることは教育関係者にとって常識です。経済的に困難な地域の学校の点数が、経済的に豊かな地域の学校を上回ることはありません。
 経済的に困難な地域には教育困難校があります。逆はありません。経済的に豊かな地域の学校で教育困難校があったとしたら、それは学校と教師の責任です。
 どんなに教え方の上手な先生でも、家庭状況が厳しく、家庭で予習復習ができない生徒の学力を飛躍的に上げるのは無理です。現場の先生は皆そのことを知っています。
 大阪市が学力テストの成績を上げたかったら、まず生徒の家庭環境をよくすることです。もし、学力テストの成績で教師を評価するようになれば、優秀な学生が大阪市の教員採用試験を受けないでしょう。
 教師になるなら大阪府でも神戸市でも兵庫県でもよいのです。阪神間というくらいですから、前述の3か所は大阪市に近接しています。小中学校であれば、待遇もたいしてかわりません。
 もし、大阪市の小中学校の管理職の責任を問えば、管理職のなりてがいなくなるでしょう。家庭環境の問題は管理職がどんなに頑張っても改善するのは難しいのです。
 サマータイムといい、今回の大阪市の動きといい、無理筋を強引にもってくる姿勢が目立ちます。やはり社会が劣化しているのでしょう。上は中央官庁から下は大阪市まで官界はどうも変です。
 早く定年になって良かったと思う今日この頃です。