戦争と言語ー語学兵をご存じですか。
今日もだらだら過ごしました。相場の方は相変わらず小動きです。日経平均は48円高で引けています。対ドル相場は110円台です。
ところで今時間があるので、読書にいそしんでいます。最近読んだ本で面白かったのは「太平洋戦争日本語諜報戦ー言語官の活躍と試練」(ちくま新書)です。
言語官という職種は旧軍にはないので、連合国側の話です。よく知られているように、アメリカは対日戦争になる以前から日本について研究していました。
開戦と同時に日本についての研究を進めます。この点英語を敵性言語として否定した日本と大違いです。 日本には英語を理解し自由に話せる人は大勢いました。逆にアメリカを含めて連合国の白人の中で日本語を理解できる人間はほとんどいなかったのです。
しかし、押収した日本軍の文書や通信解読など日本語の知識が必要になりました。まず白人を対象に言語学習を進めたのですが、困難をきわめました。
おじさんは日本語を教えているので良く分かります。日本語はおよそ合理的な言語ではないのです。以前も書いた通りその状況の中で意味が変わったり、あいまいな表現がとても多いのです。
たとえば、「ちょっと待ってください。」と言われた時何分くらい待つのか不明です。塩を少々加えますの少々をグラムでいえばどのくらいか分かりません。
この本を読むと日本語は世界の言語の中で学習に困難を伴う言語で最低3年勉強してある期間d日本に行かないとできないとされています。
つまり特殊な言語を習得するという点で日本語も同じだと思ったのでしょう。それなりに成果があったようです。また、日本語会話や文法をやめて、文章を読むことだけに特化したコースも作ったようです。これは捕獲した日本軍の文書を翻訳するためだけに使われた兵士です。
戦後この語学将校の中から優秀な日本研究者がでました。サイデンステッカーとかRPドアーとかです。もし先の大戦がなかったら、日本研究者の数はもっと少なかったでしょう。
仮に北朝鮮と戦争になっても朝鮮語を理解できる人は結構います。中国語となるともっと多いでしょう。ただ、スワヒリ語とかアラビア語となると話せて、書けて、読める人は極端に少ないでしょう。当時の白人にとって日本語とはそんなものだったのでしょう。
まあ、日本の自衛隊が中東やアフリカで戦争することはないと思います。明日ものんびり過ごします。