新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

生まれて2回目の中学の授業

 このところ忙しかったのでブログを書けませんでした。今日久しぶりに書いています。今日は中学の仕事でした。中学の時間割は良く変更になります。
 今日も学校に行ったら変更になっていました。それだけではなく、相方の先生の体調が悪く一人で授業しなければならなくなりました。免許は持っていますが、実際使ったことのないペーパードライバーならぬペーパー教師なのです。去年別の中学で1回だけ一人で授業したのがわずかな経験です
 その時も雑談でごまかしました。今日の授業の話を聞いた時さすがに焦りました。授業というのは事前の準備が必要なのです。何をどのように教えるか考えなければなりません。
 それを事前に書くと教案ということになります。教育実習などに行くと毎日これを書かなければなりません。ところが今日の予定は古文でした。
 古文ならお手の物です。38年間教えてきたのですから、ちょっと準備すればできます。内容は平家物語でした。これは何回も教えたことがあります。
 さて教えるクラスですが、一番手ごわいクラスでした。手ごわいとは教えにくいという意味です。簡単に言えば騒がしいクラスなのです。
 しかし、そこは今までの経験で何とかなると思い行きました。まず担当の先生は来ないのか、おじさん一人でするのかという質問です。
 それを何とかいなして、授業開始です。まず雑談から入りました。中学と高校の違いとか高校入試の話とかです。中学の先生は高校で教えたことがないので高校のことは余り知りません。
 中学生に話すほど高校のことを知らないのです。この辺で少し生徒さんと馴染んできました。さりとてそんな話ばかりできないので、そもそも平家物語とはということになりました。
 最初は分かりやすくと思っていたのですが、つい高校風の授業になってしまいました。逆に生徒さんにとっては新鮮だったようです。
 中学生はこちらが質問すると答えてくれます。平家物語鎌倉時代の作品ですが、鎌倉時代の前は何ですかと質問すると高校生はしらけて黙っています。
 ところが中学生は江戸時代とか縄文時代とかでたらめにいうのです。もちろん平安時代と答える生徒もいます。そこですごい良く分かりましたね。偉いとほめるのです。
 平家物語は軍記物語といって、戦争の話なのです。と言います。そして、平家と戦ったのは誰ですかと聞きます。感心な生徒は源氏ですといいます。するとまたすごい、良く知っていますねといいます。
 中学生は申し訳ないけれど単純なのでほめるととてもうれしくなるのです。ある生徒が先生からすごいとか良く知っていますねとほめるので、他の生徒も次の質問に答えてほめてもらおうとします。
 そんなこんなで、いつの間にか普段ふざける生徒も真剣になっていました。その途中でまずいことに校長が視察にきました。このクラスは全校でもうるさいので有名なので心配して見にきたのです。
 非常勤の先生が一人でうるさいクラスで授業しているので心配になったのでしょう。まずいと言ったのは、高校では黒板に適当に字を書くのです。業界では板書といいます。
 中学などでは板書をきちんと書かないといけないのです。上に行くほど黒板の字はひどくなります。一番きれいなのが小学校で一番きたないのが大学です。
 高校は大学に近いのです。まあ専任ではないので、後でそれほど文句は言われないと思います。あのうるさいクラスの生徒が全員黒板の方を見て話しを聞いているのですから、まあよしとしましょう。
 それも事前に通告されたのでなく、突然朝言われたのですから。ただ高校に勤務して38年、生徒の扱いだけはなれています。
 こうして無事難関を乗り越えました。終わった時にはほっとしました。あれで生徒が席を離れたり、大声でふざけたりしたら面目丸つぶれです。
 担当の先生が早く復帰してもらいたいです。明日は所用でいろいろ忙しいです。時間があればブログを書きます。、