日本語教育について考えたこと
今日はいろいろ忙しくて教会に行けませんでした。午後からは少し時間ができたので、おじさんの一番弟子が市の国際交流団体のスピーチ大会に出るので応援に行きました。
一番弟子は今教えて居る専門学校の生徒の中で一番優秀な学生です。今日のスピーチで分かったのですが、日本に来て4年目だそうです。それも高校を卒業してすぐ来たようです。専門学校卒業後は日本の会社に就職するようです。
ちなみに彼女は日本語能力試験のN2合格者です。N2レベルは大体高校卒業程度の日本語です。試験問題は日本人でも勉強していないと難しいです。
難しい理由は日常使わない表現や古い表現が多いからです。日常生活ならN3の試験合格程度で十分です。ただ会社に就職したり大学に進学したりするにはN2レベルの日本語能力が必要です。
会社や大学の場合専門用語が出てきます。また会社の場合高度のコミュニケーション能力が必要になります。日本語を教えていて分かったのは、日本語は細かい違いを現す言葉がとても多いことです。
ところで、今政府は外国人労働者を沢山入国させようとしています。多分その大半は非漢字圏からくると思います。漢字圏は人口こそ多いものの国としては極めて少数です。
かって留学生や外国人の大半が中国人や韓国人だった時代日本語学習はそれほど問題になりませんでした。中国人の場合、漢字の意味の大半は日中共通ものが大半だったのです。
確かに意味の違いはありますが、そもそも中国人には漢字に対する抵抗が全くありません。漢字の意味を理解したり、漢字を書いたりするのは簡単だったのです。となると後は文法と発音だけになります。発音も漢字音によっては似たものも多いです。
新聞などで今回労働者として採用する外国人はN4レベルでもよいとされたようです。日本語教育にかかわる人なら驚くと思います。
N4と言うのは小学生レベルの日本語なのです。小学生程度の日本語能力ではコンビニで使えないでしょう。まして介護とか宿泊などの業界もだめです。工業系や建設系も無理です。
本当に単純なことの繰り返ししかできません。働きながら学ぶことも無理です。一人でできる単純作業たとえば清掃とか運搬の助手くらいだと思います。農業とか漁業のようなものも可能でしょう。
しかし、低賃金労働しかできません。日本はさらにひどい格差社会あるいは階級社会になると思います。トップは大企業サラリーマンや専門職、次が中小企業の正社員、さらに契約社員や派遣社員、最後が外国人単純労働者です。
外国人は日本人のように忖度や空気を読んだりしません。ある数がそろって、不満が爆発すると大きな騒動になるでしょう。まして、永住権を得た後外国人の権利拡大へと大規模なデモやストライキが起こるかもしれません。
とにかく日本語教育の最前線にいるおじさんとしては、将来に禍根を残す政策を決めたものだと思っています。明日は中学の仕事です。