新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

劣化する日本社会―統計問題

 昨日まで仕事でした。毎日仕事をしていると1週間あっと言う間に終わります。ところで、今話題なのが厚労省の統計問題です。
 さまざまな統計指標のもととなるデーターの取り方で不正があったのです。官界の不正は去年は財務省でした。今年は厚労省です。
 厚労省のデーターの扱いについては労働時間についてもありました。今回は官僚同士が激しくやりあっています。総務省厚労省です。総務省の担当者が厚労省総務省をなめているとまで言いました。
 常識ある大人の世界で、お前はおれをなめているのかという発言はめずらしいです。総務省は相当怒っていると思います。
 民間ではデーター改ざんが続出しました。今度は官界です。そういえば、検察でも以前書き換えがありました。昨日テレビを見ていたら、このようなことが起こる背景に行政の無謬性があると言っていました。
 懐かしい言葉です。おじさんが行政法の聴講に行ったとき教授が言った言葉です。行政の場合、行政の言うのが正しいということを前提に物事を進めないと困るので、取りあえず行政の言うことは正しいということですべてを進めるという考えです。
 文句があるなら、後で言えということです。そのため、行政が間違っていましたというのは極めて難しいのです。そんなことをすれば行政全体の恥だということになるのです。
 行政の根本は江戸時代以来の前例主義です。前例が一度できるとそれを変えるのは極めて難しいです。たとえその前例に問題があってもです。
 悪しき前例を作った人より、その過ちを指摘して改めた人の方が恨まれます。余計なことをして仕事を増やしたとか、黙っていればよいのにということになります。
 しかし、思いがけないことで悪しき前例がばれてしまうのです。その時は大問題になります。今回は厚労省でしたが、どこの省庁にもこんな問題があるのでしょう。
 中国の統計が当てにならないという意見がよく見られます。しかし、現状を見ると日本の統計も当てになりそうもありません。統計の取り方が間違っていたら、出てくる結果も違ってくるのです。
 統計調査の根本は調査対象をきちんと決めることです。全数調査なのか抽出調査なのかでは、出てくる結果は違ってきます。そのあたりを混同させるなど調査のイロハのイの時点で間違っています。
 企業も官庁もこんなことばかりやっていたら信頼をなくすでしょう。以前安倍さんは美しい日本を作ると言いましたが、今見えているのは醜い日本です。
 ここがすごいぞ日本という番組が多いですが、現状を見るととてもそうはいえそうにありません。明日は日曜日なので教会です。以前行っていた教会に行きます。