新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

三高について

 今日は午前中から雨で午後は曇りになりました。なぜかおじさんの授業がある時に雨が降ります。天気予報では明日も雨です。それもおじさんがマンションへ帰ってきたときに雨が降ればよいのに、朝行く時に降って午後晴れるのです。
 さて株価も3日連続下落です。せっかく上がっていた株も下落してしまいました。この株は6000株と単位が大きいので、値上がりすると利益も大きいのですが。仕方のないところです。政治も相変わらずの新党ブームでどうしようもないですね。またこれについても書きます。
 今日は授業で「三高」という懐かしい言葉が出てきたのでそれについて書きます。この授業は「応用作文」と言って3年生の必修科目です。今論文の書き方を学んでいるのですが、今日は句読点についてその原則を教えました。その例文に出ていたのです。
 「三高」という言葉が流行したのは、20年くらい前のバブルの時代です。女性が憧れる恋人の条件だと言われました。今頃そんな条件を満たす若者はいないでしょう。それに、そんなことを結婚条件に考える女性も少ないと思います。
 三高が崩れた理由はバブル崩壊だけではありません。三高の一つは背が高いことです。今の若者はほとんど170センチ以上あるので、その条件に合致する人は大勢います。おもしろいのは中国特におじさんの地方の若者は日本に比べて格段に背が低いです。もちろん大柄な人もいますが、繁華街に行っても絶対的に少ないです。学生さんに聞くと、北の方(北京や東北部)の人は背が高いのだそうです。
 次の高学歴です。日本では大学進学率が50%近いので、これも意味がなくなりました。おまけに昨今の就職難では、どんなに偏差値の高い大学を出ても就職できない学生がいます。これも中国と随分違います。中国では大学より大学院それも博士号をもっている人が好まれます。給与も大学卒と大学院卒では格段に違います。おじさんがこの大学を応募した時も、大学卒は4000元で大学院卒(修士)は5000元でした。中国の1000元は日本の10万円くらいに相当します。つまり中国では本当の高学歴が求められているのです。
 日本では理系以外は修士に行きません。文系の修士は就職もそれほど良くありません。また、理系でも博士は日本では企業に好まれません。中国では逆なのだそうです。ですから、中国こそが高学歴社会なのでしょう。ちなみに台湾の大学で日本語を教える条件は博士号をもっていることです。ただ、日本で博士号をもっているような人が、給与水準の低い台湾に教えに行くかどうかは疑問です。韓国も似たようなところがあります。
 高収入は日本ではすでに不可能になりました。大企業でも初任給はこの10年くらいほとんど上がっていません。高給取りであった弁護士や公認会計士歯科医師は供給過剰で、とても若くして高級取りにはなれないような状態ではありません。医師は今でも高給ですが、勤務医などは忙しくて大変です。開業すると今度は膨大な借金を抱えることになります。
 それより今では低月給でも正社員になれたら良い方です。こんなことを考えてくると日本のピークは終わったような気がします。中国は貧しいですが、将来豊かになる可能性とチャンスがあります。一方世襲(政界・芸能界・スポーツ界など)と完全に固まった社会体制(大企業と中小企業の格差)の中では創業も難しいでしょう。三高などという言葉が流行した時代が懐かしいです。
 明日は今週最後の授業です。しかし、週末にはなりません。木曜日にスピーチコンテストの選手選考会があります。今週は金曜日から週末です。