新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

卒業論文指導について

 今日も朝から雨でした。それでも昼過ぎにはあがりました。こんな時間にブログを書いているのは、今日一日滅茶苦茶に忙しかったからです。しかし、おじさんは基本的に毎日ブログを書くことにしているので書きます。おじさんのブログはある意味自分の日記のような部分もあるのです。また、日本にいる知り合いの方々に無事にやっていることの報告でもあります。
 今日忙しかったのは、タイトルにあるとおり(前にも書いておきましたが)卒業論文の第1回目に提出日だったからです。6人の学生さんを抱えているので大変なのです。昨日一人の学生さんと卒業論文について打ち合わせをしました。なかなかこちらが思うように書くのは難しいようです。外国語である日本語を使って1万字近く書くのですから当然だと思います。
 今日は二人の学生さんの分を見ました。一人の学生さんはなかなか優秀でよく書けていました。内容は明治維新期の経済政策と中国の洋務運動の経済政策の比較です。日本語の訂正だけでなく、指導教官なので内容的なところも見なければなりません。ですから、題材を選ぶ時も自分が指導できる内容にしてもらっています。例えば、この学生さんは最初ゲームの三国志に出てくる主人公と中国の三国志の主人公との比較について書きたいと言っていました。おじさんはゲームの三国志をやったことがないので、こんなテーマでは指導できないのです。
 中国の学生さんの場合、ゲームやアニメが大好きなのでそれについて書きたいと言ってきます。しかし、卒業論文として書く場合、そのようなテーマでは無理なのです。また、若者言葉や若者文化についても同様です。とりとめもない内容なので論文としてまとめにくいのです。
 昨日指導した学生さんのテーマは、簡単に言えば日中の死生観の比較です。死生観と言っても膨大な内容があるので、お墓の違いからそれを明らかにしようというのです。規模や副葬品などを中心に書いてもらいました。お墓の写真などを入れてもらったので、とても分かりやすく読みやすいものになりました。図表や写真を入れるのも最近の論文の特徴です。(おじさんの頃は原稿用紙にペン書きでしたから、そんなことは考えもしませんでした。今はサイトからダウンロードして張り付けることができます。)
 今日のもう一人の学生さんは神道の日本社会における影響です。日常生活と年間行事を中心に書いてもらいました。この学生さんは日本語が苦手なので、引用の部分は良かったのですが、自分の考えを書く部分が全く不十分でした。と言ってもいまさら突然日本語が上手になるわけでもないので、こちらで何とかつじつまが合うように書きくわえました。
 そうでないと、卒業論文審査会で書き直しを命ぜられるからです。事前に書けないのに、卒業式の直前になって、書ける訳もないのでおじさんが手伝うのです。この学生さんの場合、最初から(話合った際の日本語会話能力から)分かっていたので、書きやすいテーマにしたのです。まあかなりの部分書いてあったので、よしとしました。どの先生もこのような学生さんを抱えているようです。
 明日は、日本の学力テストについて書かれた論文の添削です。大体1つの論文の添削をすると短い学生さんで2時間くらい、長い学生さんだと4時間くらいかかります。その分授業時間を減らしてもらっていますが、へらしてもらった授業時間分くらい論文指導に時間を費やしています。