新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

在外選挙について

 今日も連日の夏日です。日本では梅雨末期の大雨などが報道されているようですが、こちらは完全な夏日です。もともと梅雨のない地方なので仕方がありません。学生さんはほとんどクーラーのないところに住んでいるので、夏は大変です。それに市民も昼間は家にいて、夕方から外に出ます。
 日本の選挙は管さんが消費税を言いだしたので、民主党過半数は無理のようですね。国民新党との連立でも参議院過半数は無理なようです。経済の方もさっぱりです。中国からの観光客の購買力に期待したいところですが、ネットなどを見るとそれですら危機感を抱いている人がいるようです。
 とにかく中国人が来ると犯罪が増加すると考えているのでしょう。日本人が物を買わないのですから、だれか他の国の人に買って貰わないと、生産過剰になってデフレがいつまでも続きます。輸出に頼るのも欧米が今の調子だと難しいようです。これで民族派の人がいう中国経済の破たんがくれば、中国どころか日本自身も破たんすることになるでしょう。
 牛丼の松屋の値引き額を見て驚きました。あんな値段で牛丼を売っているのでは、デフレ脱却は無理でしょう。経済評論家の言う高価値のものを高価格でなど夢のまた夢です。庶民は生活防衛のため、少しでも安いものを(質的には落ちても)買おうとしているのです。
 さて、昨日は在外選挙に行ってきました。明日(7月4日)までやっているそうです。在外選挙とは、簡単に言えば海外での不在者投票のようなものです。おじさんの街には日本総領事館があるので、そこに投票に行きました。在外選挙には在外選挙証が必要です。この在外選挙証を手に入れるためには、総領事館に在留届けを出さなければなりません。
 在留届けは直接領事館に行く必要はありません。FAXなどでもOKのようです。よく「災害の際日本人全員の安否が確認されました」と報道されますが、この場合の全員とは在留届けを出している人を指します。なぜなら在留届けを出さないと、誰がどこに住んでいて何をしていて、連絡はどうすれば良いのか分からないからです。
 日本で言えば住民票のようなものです。在留届けを出していると、いざ大災害や暴動が起こった場合領事館から指示があります。領事館の仕事のある部分は日本人の安全を守り保護することなのです。おじさんは知らなかったのですが、ツマクマが聞いた話によれば、領事館には交代で24時間日本人職員が待機しているようです。もし、日本人が誘拐されたりした時、警察などから連絡が入るのだそうです。
 単身赴任の会社員などは、そのシステムがなければ何かあった場合どうにもなりませんよね。さて、在外選挙ですが、結構面倒な規定があります。つまり、在留届けの他に在外選挙申請書のようなものを出さなければなりません。そして、その申請書が以前住んでいた街の選挙管理委員会に転送されます。そして、実質的にはその街のの選挙管理委員会在外選挙証を発行するのです。図にすると下記の通りです。
 外国在住者→領事館→外務省→街の選挙管理委員会(書類ができたら逆をたどる。)
 今回選挙できなかった理由は滞在(住民)期間の問題があったのです。実は在留届けは一度すれば、帰国するまでそのままで良いのです。いわゆる一時帰国する場合は何の連絡も要りません。ところが、一時帰国して住民票を一度取得すると在外選挙資格を失うのです。
 一時帰国なのになぜ住民票を取得するのかと言えば、おじさんの場合健康保険はすでに退職しているので国民健康保険なのです。国民健康保険は住民登録をすれば自動的に加入する義務が出てきます。もちろん、国民健康保険は海外でも使えるのですが、受診した場合、お金を先払いして、診断書を英語で書いてもらい、日本に帰ってそれを提出し、審査にパスして初めてお金がでるのです。
 それに国民健康保険の掛け金もばかにならないので、日本に一時帰国した時にに転入届けを出し、中国に行く時は転出届けをだしています。そうすれば住民税も年金料も不要なのです。(健康保険証は転入するとその場で出してくれます。)ところが、今年の2月中国に帰って、再度在外選挙登録をするのを忘れていたのです。
 なぜなら、在外選挙証が送ってきたからです。ツマクマはそれを見て在外選挙登録に行きました。それで、選挙ができたのです。行政機関は自分で申請しなければ何もしてくれません。(申請者主義)自分が勘違いしていても教えてはくれないのです。
 そう書くと普通の人はひどいじゃないかとお思いでしょうが、膨大な事務を扱う行政機関は個人個人についていつも注意しておくわけにはいかないのです。民間企業では個人情報を管理して、適宜それを使います。一度生年月日などを企業に教えると、誕生日頃にいろいろDMが来るのもそうです。
 しかし、行政機関がそのようなことをすれば、なぜ自分の誕生日を行政機関が知っているのか不安になるでしょう。でしから、ちょっと冷たいようですが、自分で注意するしかないのです。よく官から民へと言いますが、官(行政側)の人に言わせれば、民(民間企業側)とは全てのシステムが違うのです。
 ですから、官の仕事を民に任せれば全てうまく行くと主張する人がいますが、官の論理と民の論理は全く違うのです。(官の末端にいたおじさんでもそう思います。)もし、官の論理を民の論理に変えようするならば、明治維新並みの変革(武士の制度を廃止し、廃藩置県を行った)が必要になるでしょう。
 それに、大威張りで郵政民営化に取り組んだトヨタ(郵便局のシステムをトヨタ方式に変えようとした)の現状を見る時、(レクサスもリコールするとの報道)本当に民は全てにわたって官より優れていると言えるのかという疑問を持っています。(トヨタは最高株価で8000円したのですが、今は3000円です。株主で持続して株を持っている人は1000株で500万円損をしています。)株主に数百万円の損失を与えながら、官は駄目だ、民に任せろという神経を疑うところです。
 ただ公務員の人はまじめなので、表だって言わないだけです。皆民がどれほどのものかと思っているはずです。(退職公務員なのでこんなことが言えるのです。)今日は学生さんが来て夕食を作ってくれます。いよいよ一時帰国なので荷物の整理中です。