新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

若者よ海外の日本語教師を目指せ。-政府の援助を

 いよいよ明日日本に帰ります。2月の真冬に中国に来て今は真夏です。昨日もクーラーなしには寝れませんでした。おじさんの街は中国でも有名な暑いところなのです。近隣の成都や貴州に比べても6度くらい暑いです。おまけに周りにマンションが多数あるので、ヒートアイランド現象が起こっています。
 学生さんなどは、寮(宿舎)にクーラーがないので大変です。日本に帰ったらしなければならないことがたくさんあります。まず家の整備(庭はジャングル状態でしょう。)健康診断に歯の検査(歯石をとってもらいます。)それに銀行や証券会社周りなどです。別荘の整備もあります。夏の間に2回は行かなければなりません。それから、日本の大学院を受験する学生さんのために調べ事があります。
 今回の一時帰国は結構用事が多いです。また、このまま株式が下落するなら、100万円程度株式を購入することを考えています。狙い目は金融株です。どう考えても株価が安すぎます。おじさんは業界トップ企業(最低でも上位5位以内)にしか投資しません。銀行トップ企業と証券トップ企業を考えています。今のところは証券トップ企業を考えています。このところ毎日年初来安値を更新していますので下値もそうないでしょう。
 さて、今日は若者に海外特に中国で働いてもらいたいことについて書きます。今中国では日本語ブームが続いています。おじさんの街では大学以外に多くの日本語学校があります。日本語教師の求人を見ても結構な数あります。日本でも日本語教師養成講座は人気があります。しかし、現実に海外で働く日本語教師は少ないのです。
 理由はいくつもあります。やはり中国はどんな国か分からないでの家族が不安がることです。日本語教師は、中国・韓国・台湾以外ではそれほど需要はありません。欧米やオーストラリアなら行きたい人は多いと思うし、家族も勧めるでしょう。しかし、このような所は日本人を求めていないのです。
 中国が現在では一番の日本語教師需要国でしょう。実際こちらに来て、中国の人が日本語に関心があることを知りました。それに発展する中国の姿を見ることは将来のためにもなるし、テレビ以外で知らない生の日本人を知ることは中国の人の対日感情を好転させると思います。
 おじさんが、若者に中国で日本語教師を勧められない一番の問題は経済的な問題です。中国の物価水準と日本の物価水準が違いすぎることです。中国側は最大限努力して給与を出しています。ところが日本の物価水準から言えば問題にならないのです。
 日本語教師は大学卒だと月に4000元(約6万円)が標準です。中国では十分すぎる給与です。大卒初任給が2000元から2500元ですから、日本語教師は2倍から1,5倍といったところでしょう。ところが、これでは日本に帰って預貯金もない状態です。おまけに海外に行っている間国民年金は免除になります。しかし、免除された額は年金を貰う時減額されるのです。もし、国民年金を掛け続けると今度は国民健康保険も払わなければなりません。この二つはセットになっているからです。(国民健康保険は中国ではほとんど役に立ちません。)
 つまり、日本の団体や会社からの派遣でなく、現地の大学や学校で雇用されると中国では十分な生活ができるのに日本に帰ると貧乏生活が待っていることになります。その上就職する際も中国での体験は評価されません。これでは中国で教える日本語教師が出ないはずです。
 逆に中国では中国語を外国で教える学院(孔子学院)を作ったり、外国で中国語を教える教師養成のための奨学金を出しています。外国で中国語を教えた経験は多分企業に就職する際にもキャリアになると思います。一方、JICAなどの派遣の場合国内に生活費を積み立ててくれます。シニアボランテイアの場合ですと月9万円です。
 国際化とかグローバル化社会というならば日本政府も中国で教える日本語教師の経済的援助をしてはどうかと思います。日本ではALTと言って英語を教える外国人教師がほとんどの県立高校にはいます。ALTの給与は月額手取り30万円です。(2年契約)日本の今の現状から考えれば相当厚遇されています。もちろん教師経験などない若者がほとんどです。
 もし、日本政府がALT並みの数の日本語教師を中国に派遣するなら(政府負担で)大勢の若者が海外経験をすることができます。おじさんの県は100校近く県立高校があるので、100人近いALTがいるのです。その予算を考えれば、月10万円の生活積立金と国民年金分の充当の経費で、全国で日本語教師を500人なり1000人なり派遣することは可能でしょう。(月10万円なら2年で240万円になるので、当面の生活費になります。)
 また、企業に日本語教師として海外特に中国で働いた若者を積極的に採用してもらったり、国や地方の公務員として採用する際優遇したりするならば(教員採用や警察官採用も含めて)大勢の優秀が人材が応募すると思います。
 今若者の間で反中国的な雰囲気があります。また中国経済崩壊論なども出ています。しかし、現実に中国で生活してみて、いかに日本で考えた中国と違うかが分かりました。間違いなくこれからは中国の時代です。かって日本に留学した中国人が新しい中国を作りました。今度は日本人特に若者が中国へ行ってこれからの新しいアジアの姿を知ってもらいたいと思います。
 今日はこれからいよいよ帰国の最終準備です。大学を離れる日本人教師の先生と(別の地域の学院で教えます。)お別れの食事会も夜予定しています。