新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国では書けないこと(1)

 今日も一日帰国後の事務仕事です。昨日に続いて銀行回りです。昨日の銀行回りで通帳の残高にでこぼこがあるので、支出の多い通帳に支出の少ない通帳からおカネを移し替えたりしました。それに、昨日からニューヨークの相場が上がりだしたので、あわてて以前から考えていた某証券会社の株を買いました。(2000株)
 それでも1日で昨日に比べて15円くらい(購入金額でいえば三万円くらい)値上がりしました。それでも、なりゆき(その時の時価)で買わないと指値(値段を決めて買うこと)だと買えない可能性があるので、なりゆきにしました。指値だと今日は無理だったようなのでよかったです。この株は今10年来の底値なので、下がってもたいしたことはありません。現在400円台ですが、300円台になれば間違いなく買いが入ります。その水準まで下がることはないと考えています。
 ただ8月下旬に中国に帰ると売り買いできないので困ります。まああわてて売ることもないのでいいです。しかし、某ポンプメーカーは値段が急上昇したのに、中国にいたせいで売れませんでした。今は高値の6分の1くらいになっています。ダウが一万二千円台くらいまで戻らないとダメでしょう。参議院選挙は民主党の敗北で終わりそうですし、その後も政権運営が難しそうなので、地合い(相場全体の雰囲気)は悪そうです。
 さて、今日から少しづつ中国では書けなかった中国の現状を書きます。FC2ブログからこちらに来て以来中国の学生さんには、ほとんど教えていないので、問題になることはないと思います。それに読んでいただければそれほど問題がないことは明らかです。中国のおじさんの街の公安局も日本で書いたものまで見ていないでしょう。(中国では間違いなくチェックされています。)
 今日は中国の老人と日本の老人です。中国では経済学でいう人口のボーナスの時期です。(人口のボーナスとは若者が多く高齢者の少ない時代です。日本でいえば団塊の世代が20代だった頃です。)この時代はどこの国でも一番経済が発展する時代なのです。(中国も30年後には高齢社会になります。)
 中国の老人の一番の仕事は何と子育てです。中国はほとんどの家庭が夫婦共稼ぎなので、子供は保育所に行っていると思いました。それに職場内保育所なども完備していると思ったのです。ところが何と子育ては老人の一番の楽しみであり仕事だと知りました。もし、父母がいて働いている子供夫婦に孫がいるのに、両親に育てさせないで保育所に預けたらみんなから非難されます。両親もがっかりします。
 街中ではいたるところ老人の籠に入った赤ちゃんを見ます。中国では赤ちゃんは籠に入れて背負うのです。籠にはちゃんと座るところもあります。籠から顔を出した赤ちゃんはとてもかわいいです。両親も孫を育てるのを楽しみにしています。小学校に行っても老人が迎えに行きます。何と小学生のかばんを老人がもってやるのです。
 これは問題ないのですが、見ているだけで辛くなる老人もいます。中国には老人の物乞いが多いのです。道端にしゃがんでいたり、寝ていたり、歩きながら道行く人にお金を乞うのです。何と若者がそのような物乞いにお金を施すのです。ある時はおばあさんのような人が孫に1元(15円・・日本の100円の感覚)あげてきなさいと言っている姿も見ました。物乞いの人は後は障害者です。日本人のおじさんとしては見ると辛いので大体1元あげます。(もちろんおじさんが子供の頃、傷痍軍人と言って旧日本軍の帽子をかぶり、白い服を着てアコーデオンを弾きながら歌ってお金を乞う姿をいやになるほど見ました。駅前は繁華街にいました。昭和30年代の話です。)
 繁華街にはいつもいます。特に土日が多いです。中国の学生さんに、この話をするとてきめんに嫌な顔をします。中国人の先生にはもちろんそんな話はしません。ただ物乞いが仕事として成立するのは、それだけ恵む人が多いからなのです。物乞いもやはり哀れさを誘う方が実入り(収入)が良いようです。しかし、さすがに子供の物乞いはいません。これをやると警察が出てくると思います。
 それからペットボトル回収の老人がいることです。ある観光地の山の中で上品そうなおばあさんがペットボトルを集めていました。一緒にいた学生さんに話を聞いてみると生活に困ってやっているわけではなさそうでした。息子さんと一緒に暮らしていて、お孫さんは大学に行っているそうです。同居しているので、せめて調味料代くらい稼ごうと思ってやっているのだそうです。100個集めて1元(15円)なのだそうです。ペットボトル100個は大変だと思います。
 大学構内でもペットボトルを飲んでいる学生さんに、飲み終わったらくれとおばあさんが言っているのを見ました。孝を大事にする中国の学生さんですから、飲みかけのまま渡していました。ごみ箱からペットボトルを探す老人もいます。これもちょっと辛いです。ただ学生さんの話だと前に書いたように、あれで生計を立てているわけではなく、小遣い稼ぎだと言っていました。
 人口の多い中国では日本以上に老人には仕事が見つからないのだと思います。救いはこのような老人も暗い影が見えないことです。中国では人々は明るいです。大勢の人にごみ箱からペットボトルを探しているのを見られてもはずかしいという雰囲気はありません。
 5日に中国から帰って時、上海空港で大勢の高齢者が旅行から帰っているのに出会いました。日本もかっては老人は貧しかったと思います。(姨捨伝説など)しかし、社会保障の充実で豊かの老後を過ごせるようになりました。戦前の老人は大変でしたが、戦後の老人(おじさんも含めて)とても幸せです。
 明日もまた家の片づけが続きます。