新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

多層社会中国の未来

 今日も夏日です。先週の豪雨がなければ水不足になりそうなほどの晴天です。おじさんの中国の街ではついぞ見たことのない抜けるような青空と入道雲がでています。さすがに日本だと思います。暑さだけなら中国の街もかわらないのですが。
 今日は金曜日から来ていた孫一家(二女)が帰りました。孫1は4年生で聞きわけができるのですが、孫2は3歳で聞きわけができません。それでも孫2はおねえちゃんが大好きでいつもくっついてまわっています。火曜日からは孫1を連れて別荘に手入れのために行きます。
 さて、今日は多層社会である中国について書きます。日本にいた時の中国像はほとんどマスコミ報道だけです。ですから、マスコミが貧しい中国を描きだせば中国は貧しいと考え、最近のような金持ち中国を描きだせば中国は景気が良いと考えます。
 しかし、現実に中国で暮らすと実はマスコミ報道の中国は多層社会のある層だけを興味本位に描いているのだと思います。よく中国は貧しいのですかと聞かれますが、確かに貧しいです。特に日本の農村と比べれば格段に貧しいです。しかし、農村の貧しさにもさまざまの層があります。
 都市近郊の農村は都市で作った作物を直接売ることもできるので、結構豊かだと思います。事実、旅行で見た限りそのような印象を持ちました。長距離バスが通る幹線沿いの農村は次々に建て替えや新築をやっていました。これは日本では全く知られていませんが、今中国では都市戸籍の人が農村戸籍に戻ることを認めていないのです。都市で仕事を見つけたり、進学したりして農村戸籍から都市戸籍に移ることが、農民の最大の願いだt思ってきました。
 ところが、現代では農村の方が優遇されてきて逆に農村戸籍から都市戸籍に移った人が農村戸籍にもう一度事情があって戻ろうとしても認めないそうです。認めたとしても、従来の農村でなく少し街よりの新興地域での戸籍なのだそうです。
 日本で考えられている農村は全て貧しく都市へ農民は皆出たがっているというのもマスコミの作った虚像なのです。大都市(上海や北京、シンセン)では少々高い給与を得ても生活は大変なようです。マンションブームも事実で、いくつもマンションを持っている人もいます。同時に中国政府も安い公営住宅を建設中です。大都市だけでなく、おじさんの街のような地方都市でもマンションブームのようです。
 ただ金利が安いせいもあって、若い人でもマンションを買っています。おじさんの知り合いの大学院生の人も彼は今年卒業し、来年おじさんの知り合いも卒業するのですが、マンションを買う計画です。中国では夫婦共稼ぎが原則なのでそんなこともできるのです。
 本当に貧しい農民は辺境地帯の農民です。西南部でいえば雲南省貴州省などです。四川省などは結構豊かです。そのような地域でも畑仕事は牛がやっています。中国では耕運機の代わりに牛が重要な農機具になっています。農業機械を導入するには農産物価格が上昇しなければ無理でしょう。そうなると都市の貧しい人たちが困るでしょう。
 どうも中国では政府が農産物価格を低めに抑えているようです。また公共料金(バス代)なども抑えています。確実に言えることは、中産階級が地方都市を中心に拡大していると思います。今中国政府はとりあえず高度成長政策をとって雇用を確保しているところです。
 このまま高度成長政策が成功すれば、地方都市の中産階級がさらに拡大し、それにともなって農産物の価格を引き上げ、農村をさらに豊かにすることができれば、経済はさらに安定するでしょう。農村には膨大に内需機会があります。電化製品に農業機械、さらには自動車を購入するなら、その購買力は信じられないほどの力があります。
 中国経済崩壊論もあります。それもある程度は納得できます。しかし、中国経済が崩壊する時日本経済も崩壊するでしょう。その時は世界大恐慌並みになるでしょしょう。日本との違いを上げるとするならば中国には膨大に潜在的内需があるということです。これがデフレ経済に苦しむ日本との最大の違いです。明日は総合検診に行きます。