新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

公務員改革について考える。

 ヤフーニュースを見ると、中国のおじさんの街は相当高温のようです。36度~38度くらいのようです。おじさんの街も相変わらず暑いです。今日は午前中おでかけの予定でしたが、思いがけず中止になりました。おじさんは去年の12月末思いがけないことで顔面の裂傷(といっても大したことはないのですが)を負いました。その後、順調なのですが、治療後半年しても傷が残ったら保険が出ると聞いたので、診断書を書いてもらいに行きました。
 
 最初整形外科に行ったのですが、傷跡については皮膚科か形成外科ですと言われて、また別の病院に行きました。そこで書いてくれることになったのですが、夏休みだったこともあって2時間くらい待たされました。それで、今日のお出かけは中止になったのです。お出かけと言っても、バスで30分くらいのところにある、おじさんの街の第二の繁華街なのです。
 
 さて今日は今「みんなの党」が人気となっている原因の公務員改革について書きます。おじさんもかっては地方公務員(県職員)だったので、公務員の世界について良く知っています。公務員の全てを知っているわけではないのですが、今話題になっているので少し書きます。
 
 公務員について言えば、ほとんどの人は皆まじめな人ばかりです。それに民間と違って成果主義でも能力主義でもないので、よほど上昇志向の人でもない限りギラギラした雰囲気はありません。そもそも公務員を目指す人は、高校なり(初級職)大学(上級職)なりで最初から準備してなっているのです。もちろん各種の公務員(市役所・県職・警察・国家)をはしごして受ける人もいます。しかし、民間と兼ねている人はほとんどいません。合格は不可能だからです。(公務員になるには特別の勉強が必要です。)
 
 国家公務員と地方公務員では本質的に全く違います。キャリア公務員というのは国家公務員だけです。ですから、公務員改革と言っても国家公務員制度と地方公務員制度を分けて考えなければなりません。天下りはキャリアの国家公務員の場合だけです。地方では皆定年まで勤務します。それに、次官になる時に同期が一斉に退職するような途中退職するということもありません。
 
 意外に知られていないのは、キャリア国家公務員の問題は天下りだけではないのです。地方と国家公務員の最大の違いは採用区分による出世のスピードです。地方公務員は大卒の上級職でも課長になるのは40代後半か50代です。警察を見てもらえればよく分かります。キャリアはスタートから警部補で地方公務員の警察官で警部補になるのは30代を過ぎてからです。他の部署でも同様です。
 
 ですから、キャリアの出世スピードが遅くなれば、給与の上昇も抑えられます。また幹部公務員(課長以上)になるのも遅くなります。しかし、若くてやり手の幹部がいなくなります。30代後半で係長くらいならキャリア公務員になる優秀な人材はいなくなるかもしれません。
 
 さらに公務員の給与削減ですが、忘れている人も多いのですが、昔は公務員は「安月給の代名詞」でした。そのため圧倒的に共稼ぎが多かったのです。公務員が高給取りのように言われだしたのはバブル崩壊後です。おじさんが教師になりたいと言ったら、兄から「給料が安いが大丈夫か。」と言われたくらいです。
 
 おじさんが中学生のころ(昭和36年頃)ある英語の優秀な先生が教師を辞めて民間に行きました。最後のあいさつで「先生は三田工業に行きます。」と言われたのを覚えています。後にコピーのメーカーだったことを知りました。県教育史や教員史を見ると、先生の給与が安いので優秀な人が辞めて民間にいくとありました。
 
 公務員の給与は景気が良いからと言って上がりません。しかし、民間のように景気が悪いからと言って下がりもしないのです。ですから、景気の良い時代には公務員制度のことは問題になりません。世の中には圧倒的に民間の人が多いからです。今のように景気が悪いと公務員だけが突出して良いように思われるのです。
 
 それから、公務員は争議もできません。その代り人事院なりが(県の場合人事委員会)が勧告を出すのです。ですから、人事院勧告もなく公務員の給与を3割もカットすれば裁判になるでしょう。もし人事院を廃止するなら、公務員に労働権(争議権 警察などには団結権や団体交渉権も)を与えなければなりません。
 
 今でも刑務官のような人気のない職種は倍率も低そうです。もし、公務員の給与を3割カットし、公務員の数を減らし、キャリア制度もやめるなら、公務員になる人は大幅に減るでしょう。経験的に行って競争倍率が3倍以下になると、望ましい人材を選ぶことができなくなります。
 
 今不況で公務員だけが贅沢しているように見えるからと言って、公務員たたきを続けると好況になって就職が容易になると優秀な人材が集まらなくなるでしょう。何事でもそうですが、長期的な展望にたってやる方がいいと思います。逆説的ですが、公務員の人はおとなしい人が多いので、あれだけバッシングにあっても反論しないのです。たとえ反論してもマスコミの袋叩きにあうだけなのを知っているからかもしれません。
 
 今日は知り合いの方とおいしい食事会をします。その知り合いの方は、おじさんより5歳くらい年上で、スポーツマンです。約30年近いお付き合いです。民間の方です。