新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

合成の誤謬ー世界同時デフレの恐怖

 今日はまた一段と暑さが増しています。普段ですと10時過ぎにならないと暑さを感じないのですが、今日は9時過ぎから暑さを感じています。それでもまだ扇風機で何とかしのいでいます。世間では100歳を超えた高齢者の行方不明が問題になっています。現代のような個人のプライバシー重視の時代に、家族が面会を拒絶しているのに、強引に会うわけにもいかないでしょう。
 
 おまけに何かトラブルがあればマスコミの袋だたたきに会うにきまっています。かっては、隣近所皆それぞれの家庭の事情を知っていましたが、現代では隣は何をする人ぞ状態になています。市役所などに強制立ち入り権を認めさせることも困難でしょう。大阪の育児放棄事件も辛い事件です。小泉改革以来自己責任の原則が言われ、辛いことがあっても自分で解決することが求められるようになったのも原因のひとつでしょう。
 
 大きな政府に反対する人が多くなっていますが、個人や地域共同体が崩壊する中で、中央政府や地方政府の役割が大きくなるのですが、公務員削減、官から民への動きが強まる中でこのような事件は増加こそすれ減少するのは難しいでしょう。
 
 さて今日は世界同時デフレの恐怖です。合成の誤謬というのはご存知のように、一つ一つは正しいのだけれど合成(それが集まると)されると間違った結果になるということです。デフレもそうです。景気が悪くなり収入が減少すると節約します。節約はよいことなのですが、そうなれば益々需要が減ってきます。
 
 需要が減少すれば益々企業は物が売れなくなって利益が低下するのです。現在の日本がそうで、デフレの罠とも呼ばれます。日本はデフレになって長いのに、なぜ何とかやっていけるのかと言えばアメリカや中国への輸出でもっていたのです。
 
 アメリカへの輸出と中国への輸出ではちょっと性格が違います。中国への輸出の場合、中国がアメリカやヨーロッパへの輸出で利益を上げているから可能だったのです。ですからアメリカへの輸出が減少すれば、アメリカだけでなく中国への輸出も減少することになります。
 
 それではアメリカになぜそんなに輸出できるのかと言えば、アメリカ人が借金をしてまで物を購入してくれるからです。もし、アメリカ人が節約精神を学んで物を買わなくなれば世界中は大変なデフレになるでしょう。中国もアメリカの膨大な消費に合わせて工場を建て製品を生産しています。
 
 もし、アメリカで節約こそ美徳という雰囲気ができたら、中国は生産過剰になって、在庫が積み上がり全ての生産活動はダウンするでしょう。中国に物を売り込んでいる先進国は全て生産過剰になるのです。すでにアメリカではデフレの危険性が指摘されています。
 
 日本のデフレはアメリカの過剰消費による輸出によって食い止められています。しかし、アメリカのデフレが本格化すれば恐ろしい世界大恐慌が訪れる可能性があります。ご存知のように世界大恐慌は第二次大戦という膨大な消費によって終わりを告げました。世界同時デフレももしかしたら大戦争という結果を生み出すかもしれません。そうなれば戦場は多分朝鮮半島だろうと思います。
 
 そこまで行きつく前に何とかデフレが解消されれば良いのですが、ギリシャ国債危機以来、財政赤字解消へと政府も国民も目が向けられつつあるので、デフレ解消は難しそうです。しかし、円高がある限り日本が破産することはありません。(前回書いたように、通貨の価値はその国の総合力ですから)
 
 今日ものんびり本でも読んで過ごします。明日は古い知人の方とお食事会です。