新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

大学生の就職難について

 今日はお盆の中日です。昨日から来ていた子供たち夫婦も帰りました。おじさんたちの日本滞在も残り1週間となったので、そろそろ中国渡航の準備を始めなければなりません。ツマクマの中国滞在の3ケ月ビザも入手しました。これでほぼ事前準備は終わりです。
 
 電話やケーブルテレビなどの休止も進めています。来週には郵便物の転送や金曜日にはまた住民票の転出届をしなければなりません。それから預貯金の最終残高の確認も必要です。中国から預貯金が不足しているからと言って日本円を送金できないからです。
 
 さて今日は最近発表された大学生の就職難について書きます。就職難の最大の原因は企業の採用が減少しているからでしょう。ちょっと興味があって公務員関係の求人を見ると、以前に比べて結構募集人員が多いようです。来年くらいまで団塊の世代の退職が続くのと、高度成長期に大勢の公務員を採用したからちょうど退職期にあたっているのだと思います。教員の採用もかなりあっているようです。
 
 民間企業もかっては、大企業の場合大卒文系でも200人とか採用しましたが、今は本当に幹部候補生だけで、メーカーの場合数十人くらいが関の山です。理系の場合はまだ就職率は高いと思います。特にメーカーの場合圧倒的に理系が有利です。マスコミ報道にもあったように、私立文系の学生の就職が難しいようです。
 
 今一つの原因は大学生の増加です。大学進学率が50%を超えるような状況では希望する会社に就職するのは困難でしょう。それとおじさんも感じますが、AO入試や推薦入試で入学した学生の中には明らかに学力不足の人も多いです。おじさんが進路担当者をしていたので良く分かります。
 
 偏差値の高い大学の場合それが顕著に出ると思います。推薦入試は10月頃から11月頃に結果がでますので、その後よほどの学生でなければ4月の入学まで遊びまわることになります。一般入試の学生は2月から3月まで勉強を続けるているのです。ご存知のように英語や数学の力は勉強をしなければたちまちダウンします。まして、半年も勉強しなければ入学後の勉強を再開するのは相当困難でしょう。
 
 それからやはり大学生の数が多すぎます。大学の大衆化はどこの国でも起こります。現在の中国もそうです。文部科学書が大学設置基準を緩めたためにこんな現象が起きました。総受験者数が減少しているのですから、本来はそれに比例して入学定員を減少させなければ従来のレベルの学生をとることはできません。
 
 入学定員を減少させれば当然教員の人員整理をしなければならなくなるので、どこの大学でも大反対でしょう。特に私立の場合入学生の減少が収入減になるので難しいと思います。どんな仕事でもよければ日本でも就職口はあるのでしょうが、それでは学生も満足しないし、そもそも払った学費分も取り戻せないでしょう。
 
 大学院に進学しても状況は同じです。文系の場合何のメリットもありません。企業が求めているのは大学院で勉強した知識ではないのです。それに新卒至上主義も大変です。一生のうちたった1回しかチャンスがないのですから。中国の場合終身雇用でないせいもありますが、転職も多いようです。それに卒業後でも就職のチャンスがあるようです。
 
 また中国の場合学力重視なので語学や様々に表彰歴や資格なども重視されます。大学生の数は制限するか新卒至上主義をやめるか、いずれにしても企業の側の自主的な動きでは解消できないでしょう。やはり日本のような国は政府の指導なり法的な処置でなければ解決は難しいと思います。
 
 今日は今から以前勤務していた高校の同総会(同期会)は行きます。その報告はまた書きます。