新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

授業開始です。

 今日は朝から雨だったのですが、蒸し暑かったです。久しぶりに午後もクーラーを入れています。とは言っても日本の夏日などとは比べ物のならないほど涼しいです。今日は気温が上がったので久しぶりに蝉が鳴いています。去年は今の時期35度以上の高温で、余りの高温に授業が中止になったほどです。現在の気候を考えると去年のことが信じられません。明日はそれでも30度近くにはなるようです。
 
 日本では今日にも台風が接近し大雨が降る可能性があるようなので心配です。昨日は実家からとの連絡で、リビングのガラス戸を一部入れ替えたとのことでした。これは日本にいる時依頼していたものです。8月中に契約したのですが、工事が立てこんでいて、9月になりました。
 
 新築以上にリフォームや補修の依頼が多いのだそうです。今回は備品の都合で半分だけで後日残りをやるのだそうです。事前にサイズなどを調べていたので30分くらいで済んだそうです。後は16日に屋根の腐食部分の手直しをやります。陸屋根(平たい屋根)なので面積が広くそのため補修部分の面積も広く結構な工事費になりました。しかし、今補修をしておかなければ、屋根全体に腐食が広がり屋根全体を替えなければならないので、必要経費だと思っています。
 
 さて、今日から授業が開始になりました。大学全体としては昨日からですが、おじさんの授業は今日から開始です。今日は4年生の「総合日本語」と言う科目がありました。総合日本語という科目は2年生にも3年生にもあります。必修科目でこの単位をとらないと卒業証書が貰えないそうです。
 
 他の科目は週1回なのですが、この科目だけは週に3回もあります。おじさんの授業でテキストを使用する唯一の科目です。初めてこの大学に来た時、日本語のテキストがないので困りました。考えてみればここは中国なので、日本語のテキストなどあるはずもありません。あるのは日本語検定試験対策用のテキストだけです。
 
 このテキストは中国人の学者が作ったものです。上海外国語大学の先生が中心となって作っているようです。内容のレベルは小学校高学年から高校2年生くらいまでの日本の文章を載せています。今やっている教材は辻邦生の「海の中に母がいる」という教材です。内容は随筆でレベルは高校1年の1学期程度です。
 
 その次は伝記で「田中正造」です。こちらは、小学校の国語教科書で有名な光村図書の小学6年生向けの教科書からとられています。中国の国立大学の教科書として、日本の文部科学省検定の教科書から教材をとるのもちょと皮肉な気もします。もちろん内容はとても良いものです。光村の教科書は日本のほとんどの市町村の小学校で用いられているので、日本の小学6年生と中国の大学4年生が同じ教材を学んでいるということになります。
 
 問題はまだ教科書が届かないことです。7月の日本語学部のテキスト調査で事前に報告していたのですが、中国らしく大学が始まったのにテキストが届いていません。ですから、第1回目の授業に行ったのに誰もテキストを持っていません。仕方がないので初めの時間は雑談して後半の時間でやっと授業ができました。
 
 これに懲りて第2課(「田中正造」)については事前にテキストの部分をコピーして配布しておきます。中国では自由にコピーできないので困ります。学院(外国語学院)の印刷室にしかコピー機械がありません。数枚のコピーのためにそこへ行くのも大変なのでコピー屋さんに行ってやります。コピー代金は1枚1角(1.5円)程度なのでそれほど困りません。
 
 昨日は2クラス分55枚×2枚とその他10枚くらい(合計130枚くらい)コピーして15元(180円くらい)でした。ただコピー代金も場所によって結構高いところもあります。おじさんの住む地区のコピー屋さんは特に安い気がします。コピー機が普及していないので、一般の人も街のコピー屋さんを使っています。
 
 明日も同じクラスの授業があります。ツマクマは総領事館の婦人会で午後からお茶会に出かけます。日本では地方都市で外交官の奥様方などとお茶を飲むなど想像もつかなかったことです。そもそも外交官などという人を見かけたこともありません。ただ、おじさんの住む県の県庁所在地には中国・韓国・アメリカの総領事館があります。主催の方は総領事館の首席領事の奥様です。海外では日本人は皆民間大使だと言われますが、確かにそうです。ですから、総領事館でもツマクマに対してもそのような扱いをするのです。