新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日中食生活考(麺ー面を中心に)

 やっと天気予報通り少し涼しくなりました。これまでの真夏日から残暑レベルまで下がりました。天気予報によれば明日から最初の寒波が来るようです。といってもこちらは亜熱帯なので30度以下に気温が下がるだけです。東北部では雪が降るかもしれないと言っていました。北京あたりでも最低気温は10度以下になりそうです。
 
 さて漁船逮捕をめぐって日中関係はぎくしゃくしているようですね。とりあえずおじさんの街は平常通りで学生さんから何か言われたりすることはありません。この問題は微妙な内容なので、コメントはありません。それより興味深いのは、今朝朝日新聞がスクープ(ネットニュースによれば)したと言われる郵政不正事件での主任検事の証拠変造事件です。
 
 これは検察全体の信頼にかかわることなので事実とすれば(主任検事は変造を認めているとの報道もあります。)大変な問題です。大阪地検の特捜部や地検幹部はもちろんさらには高検、最高検にまで処分が及ぶでしょう。主任検事は刑事告発される可能性もあります。検察の花形特捜部の信頼失墜は大ダメージです。検察については、小沢さんの問題をめぐってもかなり困難な立場に立たされるでしょう。
 
 そんな難しい話しはやめにして、中国と日本の食生活の話しを今日は書きます。きっかけは、今日総合日本語の時間に、田中正造伝をやっていて気付いたのです。本文に「芋粥さえ啜れないほどになった。」とありました。日本では「粥を啜る」と言えばご飯も食べられないほど貧しい生活の比喩です。
 
 ところが、中国では粥を啜るのは結構贅沢な生活です。外国人が泊まるホテル(3つ星以上)でも、朝食バイキングには粥は定番です。粥専門の料理店もありますが、これは高級料理店です。考えてみると日本と中国では食材はほぼ同じか中国の方が多いのですが、ちょっと食生活が違います。
 
 朝は日本のようにご飯とみそ汁とおかずなどはありません。みそ汁は別として、ご飯とおかずの組み合わせも少ないです。一番多いのは万頭(具材が何も入らないもの)に豆乳(中国では朝の牛乳以上に豆乳が定番です。)またはパン(それも菓子パン風)と豆乳の学生さんも多いです。露店や小さな飲食店では粥と漬物(漬物は取り放題無料)とか面も多いです。揚げパンもどきに豆乳の組み合わせもあります。
 
 面については、中国では面(日本の中華麺)、米銭(ビーフン)、刀削面などがあります。刀削面は良くテレビでみる小麦粉の塊を刀で削ってゆでるものです。手で削るので面の太さがふぞろいでかつ、厚みがあります。全て手作りなので日本だと高いのですが、こちらは普通です。しこしこして腰があり、日本のうどんの太麺といった感じです。その刀削面を炒めると(炒面)日本の焼きそばもどきになります。
 
 おじさんはこれが大好物です。値段は平均7元(約85円)です。東京なら850円というところでしょう。刀削面とだけ書いてあれば、これは汁麺です。炒面は大小がなく、刀削面は大小があるので、余り食べれない時は小のある刀削面にします。こちらの面はとにかく辛いです。紅の字の入った面はとりわけ辛いので注意が必要です。
 
 それから面の量もはんぱでないので、大と書いてない面でも日本の大もりレベルあります。ですから、大など頼むととても食べ切れません。腹ペコでなかったら小がちょうどよいです。ちなみに刀削炒面には小さなスープがつきます。これはお代わり自由なのです。(おじさんは中国語ができないのでしません。)また麺類は全て、食べる前に底からかき回さなければなりません。
 
 また、一度だけ学生さんが、替え玉(注文した麺を食べ終わったスープに麺だけお代わりする。)をしているのを見ました。贔屓の麺屋さんは、蘭州ラーメンといって、イスラム系の人がやっています。一種の屋号のようなものです。(讃岐うどん・博多ラーメンなどと同じ)麺屋さんには、このような地名がついています。日本風に言えば元祖博多ラーメンとか本場さぬきうどんといった感じです。
 
 でも内容はそんなに違いはないような気がします。麺屋さんなのに、ご飯ものもあります。「飯」と「盤」とあって、「盤」だと大きなお皿に入っています。ご飯の上におかずが掛けてあります。日本だとカレーライスがそうですが、ハヤシライスを除けば、ご飯の上におかずや汁を基本的に掛けないのですが、こちらでは掛けるのが常識です。
 
 例えば、マーボ豆腐をご飯の上に掛けたり、チンジャオロースをご飯の上に掛けたりするのです。日本人だとちょっと引くところですが、学生さんはおいしそうに食べています。また日本と違うのは、トイレットペーパがどんとテーブルの上にあって、皆それで口を拭きます。お冷は基本的には出ません。おじさんが行く蘭州ラーメンは時に出してくれます。(忙しい時は駄目)
 
 それから、おじさんの街の麺は辛いのに、さらにラー油を加える人もいます。中国酢(黒酢のような感じ)を掛けたりします。(どの店でもテーブルにあります。)これをするとコクがでておいしいです。所変われば品変わるで、なかなかおもしろいものです。
 
 中国生活3年目になるとこんな観察もできるようになります。今週の授業は今日で終わりで、次は日曜日の振替授業から始まります。明日から土曜日まで中秋節の休暇です。土曜日に大学の事務棟(23階建て)で音楽リサイタル(女声独唱)があるので聞きに行く予定です。