新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

外交の技法ー突然の首脳会談について

 今日はツマクマもだいぶ回復して買い物にも行けました。いつも書くように、自動車がないので、1週間分の買いだめなどできません。3日に1回くらいスーパーに買い物に行きます。それに日本に比べて野菜などの持ちが悪いようです。冷蔵庫も家族を前提にしていないので(ほとんどの外国人教師は単身赴任です。)自宅のより小型です。
 
 天気の方は数日前よりずいぶん暖かいようです。多分27度くらいはあるようです。雨も降らず薄曇りのまま1日推移しました。明日は少し気温が低下して24度くらいになるようです。
 
 今日は日銀が金融政策を発表して少し株価が上がりました。それでも今年前半に比べると下落幅が大きいようです。最近取得した某証券会社株も今日は年初来安値(今年で一番安い値段)をつけました。おじさんは債券や定期預金、国債ファンドなどにも投資しているからいいのですが、株に全てをつぎ込んでいる人は大変だと思います。
 
 さて昨日日中の首脳会談が行われたようでよかったです。中国在住日本人としては、両国間の緊張状態がはやく解消することが望ましいからです。この突然の廊下での首脳会談を聞いて標題の「外交の技法」という本を思い出しました。
 
 この本を読んだのは30年くらい前です。当時新設校の図書館の担当者として、新しい図書を購入することになりました。先生方にも希望をとったのですが、政治や法律などについては良い本がでず、おじさん自身で探しました。その時大型書店でこれを見つけて購入したのです。(新設校での図書館建設については、全国学校図書館大会でも発表しました。)
 
 とてもおもしろい本で、外交のあり方が良く分かりました。例えば、それまで仲の悪かった国の一方がある声明で、それまでつけていた悪口を少し緩和した言い方をしたら、それは話し合いをしようというサインだというのです。(例えば○○と名前を呼び捨てにしていたのに、○○大統領と職名をつけたりすること。)また、普段は口もきかないほど対立している国の大使が、握手を求めてきたらそれも話し合いを始めようとのサインだというのです。(つまり外交官は対立している国の大使とは本国の許可がなければ勝手に握手もしないということです。)
 
 外交官は常にそのような相手のわずかな変化をとらえて、次の手を打たねばならないと書いてありました。また、外交において、情報が通貨のようなもので、情報をいかに多く持っているかが、質の良い外交をなすことだとも書いてありました。そのため、利害が対立しない国に対してはどんどん情報を伝え、恩をうっておく必要があるというのです。そうすると思いがけない国から対立する国に関する良質の情報が得られるのだそうです。
 
 普段からの付き合いも必要で、当然ですが普段あまり付き合いのない外交官より、親しい国の外交官の味方をするのは当然だそうです。それは、本国に情報を伝える際の微妙なさじ加減に影響するのだそうです。本国は外交官の伝える情報が第一だし、当然事実の他に当事者である外交官の意見や分析も伝えるので、その際に差がでるのです。(だれでもそうですが、自国にとってどちらでもいいような場合、親しい人の国を応援をするものです。)
 
 今回も廊下でそれも互いの通訳やスタッフをほとんど交えないでやったところに意味があります。つまり国内の反対派から、なぜ今の時期首脳会談をするのかと言われた時に、あれは立ち話程度の軽い挨拶だと言い逃れることができます。しかし、この重大な時期にトップ同士がなんであれ話し合いをするのはとても大事なことです。
 
 子供の喧嘩でも、一度親同士が立ち話程度でも話しておけばその後の展開も違います。部下のスタッフもトップで話しがついているとなると、後は実務レベルの話になるのです。おじさんも最末端とは言え、行政機関の一部で働いたので(県立高校は県教育庁出先機関です。)よく分かります。
 
 他校と何かする場合、管理職同士がよろしくとでも電話で連絡していてくれると、相手の高校の先生と話しが早くすむのです。そうでないと、何かしようとしても、たがいの管理職に承認を求めなければなりません。そうしないと決定した後で、管理職からそんな話は聞いていないとクレームがくることがあるのです。
 
 民間企業の人には、何と遠回しなと思われるかもしれませんが、すべからく世界中の行政機関共通の問題なのです。一度トップで話がつけばマスコミや議員がどんなに騒いでも、政府あるいは政府機関同士では話がついたとみなされます。
 
 このような交渉の仕方は行政機関で働く公務員の皆さんは全員知っていますが、それ以外の方はなじみにくいと思います。どこの業界にもその業界なりのやり方があるようなものです。それにしても本当に良かったとおもいます。
 
 明日はまた大型商店街に買い物に行く予定です。