新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国街角おもしろ報告

 今日も一日薄曇りでした。気温も段々涼しくなり、すっかり秋らしくなりました。もうこれからは段々寒くなるばかりです。11月に入ると去年は暖房を入れなければなりませんでしたが、今年はそこまでないと思います。長かった国慶節休暇もいよいよ明日で終わりです。金曜日からは授業再開です。
 
 日中臨時首脳会談については、昨日書きましたが、何はともあれ日中間のあつれきが少しでもなくなることが望ましいです。特に日曜日からおじさんの大学の教え子(一番弟子)が日本に行くので少しでも、対中国感情が緩和されることを願っています。
 
 さて、このところ硬いテーマについてばかり書いたので、最近の中国のおじさんの街の様子を書くことにします。おじさんの街は中国でも有数の大都市です。(沿岸部でなく内陸部ですが)繁華街までマンションから歩いて20分くらいです。古いビルが取り壊されて次々に新しいビルが建設されています。
 
 最近の出来事の一は、おじさんのマンションの敷地内にちょっとした庭があります。数か月前マンションの外の住民(もちろん大学構内の住人ですが)がちょっと空き地を耕して野菜を植えました。管理人さんが何も言わないと、見る間に庭は野菜畑だらけになってしまいました。ところが、大学構内に新しく農学部棟が建設され、そこの建物の前に木を植えることになって、そのための土をこの庭からとりました。必然的に畑は一部壊滅状態です。
 
 土を取る業者も容赦なくブルで野菜畑を壊し、土を取りました。その後また近くの住民が残りの部分に畑を作りました。すると数日前、何と夜9時過ぎにまたブルが来て、畑を壊して土を取りました。平日の夜9時過ぎにブルで土を取りトラックで運ぶなど日本では考えられませんが、これも中国です。すると翌日残りの部分を使ってまた畑が作られていました。
 
 次は買い物途中に見た光景です。中国では露店の人は皆天秤秤(てんびんばかり)を使います。日本では昭和30年代の後半に見られなくなったものです。これは中国の露店の人にとって大切な商売道具です。ちなみに中国では露店が山のように出ています。昨日見たのは新疆からわざわざメロンを運んできて売っていました。見るからにウイグル族らしい感じで、とても甘いメロンなので買いました。後で学生さんに聞くと、警察から追い払われたそうです。中国では、市政監査の役人がいて、いつも露店や零細商店を見まわっています。問題があると場所の移動を命じたりします。天秤秤が不正確だという客からの訴えがあるとそれを没収したりします。
 
 勝手に商売などしているとすぐに追い払われます。スーパーもおもしろいです。スーパーは信じられないほど品物が豊富です。野菜も果物も山積みしています。将軍様の国のスーパーでは売る物がないとの報道もありますが、ここでは野菜や果物の山から商品が転げ落ちています。
 
 おもしろいのは、ほとんどの野菜や果物は量り売りです。自分で品物を選んでポリ袋に入れて計りをしているところに持って行って計ってもらいます。自分で選ぶので後でクレームがくることはありません。(まさに自己責任の原則です。)ただ、それだけに野菜や果物の品質は一定ではありません。傷のある不良品も多いです。それは消費者が買わなければよいだけの問題と考えています。そのため、野菜や果物の値段は日本で信じられないほど安いです。(収穫したものを全て厳密に選別せず出荷しているようです。)
 
 ですから、消費者も新しく箱から野菜や果物がでるやいなや群がってきます。後になると散々選ばれた後の悪い品しか出ないからです。(もちろんいやなら買わねばよいだけです。)日本のように品質保証は店がやるのでなく、自分自身でやることになります。このあたりは個人主義の徹底している中国らしいです。ある時は店員さんがカートに積んだ野菜を売り場に持っていこうとすると、その途中でそれを見かけた客が、次々にとって、売り場につく頃には半分になっていました。
 
 もちろん、パック詰めのものもあります。これは値段が高いです。とくに緑色と呼ばれる、安全な野菜や果物もあります。しかし、中国の人にとって、店の判断より自分の目の方が確かだと信じているようで、こちらは余り人気がありません。(値段が高いせいもありますが)
 
 また、中国人気質のようなものを感じたこともあります。地面に落ちているお金を意外に拾わないのです。最近はありませんが、以前時々1元単位(12円くらい。。日本の100円感覚)のお金を拾うことがありました。、お金が落ちているのに通行人が気づいているようなのに拾いませんでした。また、驚いたこともありました。おじさんの目の前である人がお金を落としたのです。すぐ気がついて、ジェスチャーでお金を落としましたよと教えました。(中国語で話せないので)
 
 若い30代くらいの男性でしたが、憮然として表情でおじさんの方を見るのです。一緒にいた母親らしい人がすぐありがとうと言ってくれました。おじさんが外国人だと分かったからでしょう。日本であれば、本人がすぐありがとうございますというところなのですが。別の学生さんに聞くと、落としたお金を拾ったりするのは縁起が悪いのだそうです。ですから、落としたお金を又自分の所に持って来られても迷惑だったのかもしれません。
 
 外見も似ているし、言葉も読むだけなら70%くらい意味が分かるのですが、(聞いたり話したりはできませんが)目に見えない生活習慣や文化の違いはあるものだと思いました。もちろん地域文化の違いもあるので、中国中が全てそうだとは言えませんが。
 
 今日は街かどで見聞したことの一部を報告しました。今のところ日本人だからと言って、何か困った事態に遭遇することはありません。今日は一日買い物(別の繁華街)で終わりました。