新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

大学D区報告

 今日も相変わらず暖かい日が続いています。今日は何とスクールバスに冷房が入りました。学生さんは半そで姿が目立ちます。ちょうど9月下旬に逆戻りしたようなものです。今日は1週間で一番忙しい日でした。それでブログを書くのもこんなに遅くなってしまったのです。
 
 さて今日はD区の現在の状況です。D区は何度も書くように、市政府の方針で大学を一か所に集めたところです。名前も「大学城」と言います。「城」は地区くらいの意味です。今日は午前中いっぱいは3年生の「日本概況」という日本の事情を知らせる授業です。
 
 今日は関東地方の各県についての発表です。おじさんも関東地方については余り知らないのでおもしろかったです。面積と人口、それに産業までは必ず調べるように指導していますが、それ以外は学生さんたちのオリジナルです。もちろん文献がないので、全てネットで調べています。ですからユニークな発表もあります。群馬県について調べた学生さんは、群馬県の特色として「かかあ天下と空っ風」をあげました。また埼玉県の特産として「草加せんべい」などという発表もありました。県花については、全く知らないのでおもしろかったです。
 
 D区にも色々立て看板が出ています。昼食時に食堂の前を通ったら、「金融研究協会」のようなカンバンがあって、学生さんが何か書いていました。どうも日本でいう「証券研究会」や「経営学研究会」のようなサークル活動のようです。先週は「創業研究会」(将来企業を興すことを目指すサークル)なども募集していました。
 
 また、講義棟の前では教務処の学生相談会があっていました。教務処は日本の学生課や就職課、教務課を一緒にしたようなものです。例えば就職課に該当するのは「就業支援室」があります。その他単位修得についてとか、奨学金についてなど、各担当部署の係員が出向いていました。中国の大学は不親切と聞いていたので意外な気がしました。
 
 それから今は試験のシーズンのようです。今日も朝から大勢学生が教室にいるので何だろうと思ったら、コンピューターソフトの資格試験のようでした。(ソフトは中国では軟件といいます。)また、英語の試験もあるようで、大勢の学生さんが、声を出して英語を読んでいました。
 
 中国らしいのは、以前書いた軍事訓練の座学の試験があるようです。軍事理論考試と書いてありました。学院と専攻ごとに試験監督官から受験教室まで指示されていました。90分の試験があるようです。また別の張り紙では学院ごとの大学英語の教室割が掲示されていました。中国では大学英語は必修で、日本のようにちょっとした読み物を読むような授業ではありません。(文系理系問わず全員2年生までみっちりやられます。)
 
 スピーチを中心にやります。発音が悪いと落第のようで、皆声を出して英語のテキストを音読しています。おじさんが聞いてもとてもきれいな発音です。また日本語学部でも第二外国語として英語が必要で、就職試験などにも学部を問わず英語の試験があるようです。
 
 おもしろいものも見ました。D区は大学キャンパスが広いので移動が大変です。昼休みにはほとんど全部の学生が宿舎に帰って昼寝をします。ですから、宿舎と校舎の間を何度も往復しなければなりません。そこで自転車が大活躍です。自転車も最近は貸出がはやっています。つまり在学中だけ借りるのです。購入すると卒業する時に売却するのが大変なのです。
 
 その自転車の中になんと「たけの」とひらがなで書いた自転車を見つけました。どうも自転車メーカーの名前のようです。何台もそんな名前が書いた自転車があるので、そう思っています。今のご時世ですが、学生さんは堂々と日本語で書かれた自転車に載っています。
 
 外国語学院の講座募集のビラも見ました。トエックのための実力養成講座です。読む・書く・聞く・話す・内容理解など全て込にして120時間の授業で3800元(4万5千円くらい)でした。しかし、中国の物価水準から言えば日本の30万円くらいに相当します。先生はもちろん外国語学院の英語の先生で、先生に手当を払った残りは学院の収入になるのだと思います。中国の大学は学院(学部)ごとの独立採算なので、このようなことをして収入を増やしているのです。
 
 このように、毎日色々な発見があります。この大学に来て3年目になりますが、こんな調子で思いがけないことで出くわすのです。好奇心旺盛なおじさんとしては、とても楽しいです。明日もD区で授業した後、A区で午後授業をします。