最近読んでいる本（漫画「三国志」）
今日は天気予報通り急に寒くなりました。皆セーターなどを着こんでいます。おじさんの街は基本的には亜熱帯に属するのですが、それでも11月から2月までは暖房が必要です。大学の教室は亜熱帯であるが故に暖房はありません。12月～2月までは（冬休みもありますが）学生さんは教室内では厚着で寒さ対策をします。
何と言っても暖房がないので、学生さんがコートやジャンパーを着ていてもＯＫです。おじさんは流石に厚着では授業できないので脱いでいると、学生さんが、先生風邪をひくからコートなどを着てくださいといいます。本当に風邪気味の時は、薄めのコートなどを着てやります。
中国では今日もデモがあったようですね。あれは本当は土曜日にあるはずだったのですが、人が集まらず今日になったそうです。（総領事館からも事前に警告のメールがありました。）予定の行動だったようです。北朝鮮でも将軍様の長男の人が、まもなく北朝鮮は崩壊すると言ったとニュースが流れていました。今中国では北朝鮮との協調をニュースとしてながしています。
考えてみれば、北朝鮮が順調なら協調のニュースなど流す必要もないのでしょう。もし、今度後継者になった三男の人が、外資の導入や中国との経済協力を進めれば、国民の生活は豊かになります。しかし、逆説的ですが海外のニュースや外国人の豊かな生活を見て、さらに国民の不満が高まるかもしれません。
さて、今日は今読んでいる本についてです。それは漫画「三国志」です。作者は漫画家で有名な横山光輝氏です。水滸伝は随分子供の時分（多分中学生くらい）に読んだことがあります。また西遊記もテレビで見たことがあります。しかし、三国志はごく簡単な登場人物しか知りませんでした。
ただ赤壁の戦いは授業で教えたことがあったので、よく知っていました。もちろん中国古典（漢文）としてです。三国志は基本的には授業では教えません。授業で教えるのは、漢楚の興亡です。いわゆる項羽と劉邦の戦いです。
全部読んだわけではありません。中国在住の駐在員の奥さんからツマクマが借りてきたものです。今20巻まで読みました。本当におもしろいです。来週返すのを間違えて今週返すと思って、毎日読みました。おかげで、夢の中もデフォルメされた（変形された）三国志の世界がでてきます。
一番意外だったのは、曹操についてです。なんだか独裁者で悪い奴だという印象があったのですが、それなりに筋の通った気配りの人間だと分かりました。特に曹操が関羽を一時家来として遇し、また劉備の妻子を保護しした話しは全く知りませんでした。また、その後関羽が劉備の無事を知り、曹操の元から立ち去る場面も感動的です。
さらに、その恩を感じた関羽が曹操を逃がす辺りも、武人であった関羽でも恩を返すのかと思いました。やはり中国でも義には義で、恩には恩で報いるものだと思いました。また、敵の敵は味方、昨日の敵は今日の友、さらにはその逆も多く見られました。まさに権謀術数の世界です。
ひとつ思うのは、敵に降伏することも許されるということです。さらには、積極的に敵の将軍をとらえて味方につけるということも行われます。もちろん敵軍に仕えることをよしとせず、潔く死ぬ（この場合処刑されることを選ぶ）将もいます。さりとて生きて敵軍に仕えてもそれなりに待遇されています。
このあたりは戦国時代の日本も同様です。第二次大戦では旧日本軍は、降伏することを認めず、みすみす多くの軍人が玉砕しました。もし、過去の日本や中国の例にならって、堂々と戦い、これ以上無理な時は名誉ある降伏を認めていれば多くの人が助かったのにと思います。（アメリカ軍なら堂々と戦って降伏したのであれば、それなりの待遇をしたと思います。）
また、毛沢東以下中国の人は人生の手本として三国志を読むそうです。三国志に出る武将たちは、戦いの駆け引きや作戦が実に多様です。旧日本軍は戦いの仕方がパターン化されていて、戦争の後半にはアメリカ軍にそのパターンを読まれ、大きな損害を被ったそうです。（繰り返し夜襲をかける、敵の背後に回るなど）
三国志の戦いのやり方は、ベトナム戦争のベトコンや日中戦争の中国側の後方撹乱戦術などと通じるところがあります。毛沢東の人民戦争理論もこの三国志を参考にしたと言われます。旧日本軍の参謀たちもこの本を読んで戦略・戦術の勉強をしていればと思ったりしました。
もし、まだお読みでない方は是非一読するのを勧めます。今日はスピーチコンテストの指導をしました。明日も夕方します。明日まで楽勝日で木曜日、金曜日が地獄です。
