新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日本概況から見えてくるもの

 今日も朝から冷たい雨が降りました。すっかり初冬の雰囲気です。秋をとばして、すぐに冬に入った感じです。おじさんはそんなに寒がりでないのですが、もともと亜熱帯のおじさんの街の人はちょっと寒いと、10月なのにコートを着ています。
 
  途中まで書いた所で夕食になり中断してしまいました。今日は1週間で一番忙しい日です。朝7時半のバスでD区に行き、途中昼休み(12時から2時まで)を挟んで、マンションに帰ってきたのは夕方6時過ぎです。本当は6時前に帰りつくのですが、今日は学生(院生)さんから質問があって、1バス遅れてしまいました。おじさんのマンション近くの高速道路はその時間は渋滞で、それに巻き込まれてしまいました。
 
 今何とか夕食を済ませてこれを書いています。中国のデモのせいであちこちの方から大丈夫ですかのお便りをいただきました。毎回書いているように、とりあえず問題なくすごしています。
 
 さて今日は日本概況から見えてくるものです。日本概況というのはこれまで何度も書いたことのある教科です。日本のことについて紹介する科目です。ほとんどの大学で設置されている科目です。普通は日本の地理・歴史・文化・社会制度などについて教えます。
 
 おじさんも現在は日本の各県について授業をしています。今日で大体終わりました。次回はそのまとめで、その次は日本の伝統文化についてやる予定です。去年は伝統文化についてはやらず、日本の行事についてやりました。
 
 ところで、日本の各地方について授業しながら、日本の現状というものが再度確認されました。まず現在の日本では人口集中がますますひどくなっていることです。簡単に言えば大都市周辺と各地方の中心都市以外は衰退が著しいということです。特に地方に限定すると東北地方の衰退が著しいようです。この地方で衰退が止まっているのは宮城県福島県です。
 
 この宮城県仙台市という東北地方の中心都市をもっているからで、福島県は東京圏のぎりぎり境目にあるからです。関東地方はおじさんが知っていた以上に繁栄しています。関東でもかっては、栃木や群馬県あたりは、それほど人口も多くなかったのですが、現在では東京圏に組み込まれています。茨城県などもそうです。
 
 以前のイメージでは東京圏は、東京・神奈川・千葉・埼玉くらいでしたが、現在はさらに広がっています。北陸地方では、石川県の衰退が意外でした。金沢があるので、かなり有力かと思ったのですが、現在は新潟県に押されているようです。また四国についても、高松のある香川県が有力かとおもったら、現在は松山のある愛媛県の方が有力なようです。
 
 また、日本海側の各県の過疎化高齢化が著しいです。人口減少は東北地方に顕著にでています。地方ごとの人口増減率を計算してみて思いました。また四国全県も人口減少がひどいです。九州も沖縄と福岡以外は同様です。前回の総選挙で地方の反乱が起こって、政権交代が実現したのも分かる気がします。
 
 さりとて、国家財政が赤字な状態では、地方に公共事業をばらまくこともできません。地理的条件や気候条件も加味して学生さんに工業地帯を説明しました。四国・北陸・東北地方は気候的・地理的な条件から考えて工業化は難しいようです。こうなれば、中国のように政策的に工業地帯を太平洋沿岸から四国や北陸・東北へ移すしか過疎化を食い止めることはできないようです。
 
 しかし、日本は自由主義社会なので、企業に強制できません。経済効率から言えば、過疎地から人を引き上げて、都会や中心都市に集めるのが一番いいのでしょう。しかし、自分の古里がなくなり、また荒れた山野が広がる風景が本当にいいのだろうかと思ってしまいます。都会の人は農村のためになぜお金を使うのかと思っているでしょう。農村の人は自分たちがいるから自然や国土が守られているのだというでしょう。
 
 しかし、今の現状では、大都市圏や中心都市圏以外の過疎地は高齢者の死とともに崩壊していくしかないと思います。多分20年後人口の塊である団塊の世代が世をさると、一気にそれが加速するのだろうと思いました。
 
 明日は、金曜日です。作文指導と総合日本語の2コマでやっと週末を迎えることができます。