中国経済状況（定点観察者の報告）

　今日は朝方雨模様だったのですが、午後から天気になりました。今日は午前中Ｄ区だったのですが、工事の渋滞に巻き込まれあやうく遅刻しそうになりました。とにかくこの街は工事が多いのです。Ｄ区は街全体が大学城（大学地区）といって大規模開発をやっています。今は原野のようなところも、あっと言う間にビルに変わります。事実、すでに原野にインフラ（水道・ガス・電気の配管など）をやっています。

 

　大学城の高速道路出口付近では企業の大工場団地が建設中です。団地のはずれがかすんで見えるほど広大な広さです。去年の暮頃に開設式があったのですが、すでに工場ができつつあります。とにかく中国の開発のスピードは日本では考えられない早さです。1週間で風景が変わります。1月も行かないと町の様子が見違えるほどのなります。（ツマクマもそう言います。）

 

　今中国西南部では開発が進んでいるのです。おじさんの街は、上海やシンセンなどと並んで経済特区ができました。両江経済特区です。おじさんの街は二つの大きな江に挟まれているのでそう呼んでいます。街にはスズキの自動車が走っています。タクシーは全てスズキ製です。何と言ってもタクシー料金が安いので、利用者も多いです。

 

　しかし、およそ日本のタクシーと違ってボロボロです。日本なら乗客からクレームがでるところです。中国ではタクシーは高級な乗り物でなく、バスよりちょっと上と言った感じです。おじさんのマンションから飛行場まで高速道路を40分くらい走りますが、料金は70元（840円くらいです。）日本であれば1万円以上はとられると思います。中国では政策的に日常生活の物価は抑えています。

 

　つまり中国の国民所得が上がればまだ公共料金（バス・タクシー代など）十分値上げする余地があります。バスなど最低料金は1元（12円）です。ただ実感としてインフレ傾向にあるのは確かです。バス代も以前は車掌さんがいて、行き先によって値段が異なったのですが、今はおじさんたちが利用するバスは全てワンマンになりました。（ちなみにバスもボロボロです。昔歌にあった「田舎のバスはおんぼろバスで～」そっくりです。日本なら整備不良で即刻バス会社は営業停止になる状態です。）

 

　その代り一律2元（24円）になって、近距離では値上がりに遠距離では値下がりになりました。この値段で1時間近くバスに乗れます。たとえ3元（36円）になっても、今の所得水準ならそれほどクレームもでないでしょう。逆にこれから、生活水準の向上とともに、バスやタクシーを更新するという、需要が見込まれます。日本ではバスの需要はそれほどないでしょう。さらに、最近おじさんの大学の会社説明会があっていますが、日本と逆に去年より会社説明会が増加しています。

 

　それに、大学院（日本語専攻）の知り合いの学生さんも、すでに就職が内定したと言っていました。給与も大学生の2倍近い4000元（4万8千円くらい　大卒初任給は2000元から2500元くらい）だそうです。薬品会社だそうです。2年くらい前はリーマンショックなどの影響でおじさんの大学も就職に苦労したのですが、今年は去年と様変わりです。

 

　去年もこのマンションで過ごしましたし、学内もよく散歩したので比較できます。会社を見てみると、トヨタ・ホンダ・日産の中国との合弁会社もあります。また、中国有数の電化製品小売店（日本のヤマダ電機のようなところ）も募集をやっていました。今年目立つのはマンション建設会社です。また建築・土木関係の会社も目立ちます。

 

　先に書いたように、おじさんの街だけでなく、中国全体が今高度成長期にあるようです。負けじと軍も一般兵士の募集をやっていました。日本のニュースを見ると不況で任期制自衛官の退職が少ないと報道していましたが、こちらの状況は不明です。一般兵士の募集の後、去年ですと技術幹部の募集があります。通信関係とか機械関係とか土木関係などです。こちらは地域ごとの募集でした。例えばチベットで通信幹部を20名募集の形です。

 

　今年もこのような看板を見たら報告します。中国景気後退論や中国経済崩壊論が取りざたされていますが、街角や大学校内、さらには郊外地を見る限り後退や崩壊のきざしは見えません。このような、地域に密着した報道をマスコミはしないので、やはり日本国内の方々は中国の現状について誤解しているところがあるようです。

 

　おじさんは2年間（今年3年目）一つの場所（大学構内のマンション）で定点観測ならぬ定点観察をやっているので、逆に時々の変化が良くわかるのです。明日は久しぶりの土曜日のんびりすごします。日曜日は朝8時から夕方7時までキャンパス全部が停電です。