新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国経済雑感

 今日は早朝から濃霧だったので、午後は晴れるだろうと予想したら、予想的中晴天になりました。ツマクマも晴天を予想してシーツやパジャマを洗濯しましたが、予想が的中して大満足です。おかげで、今日は午前中は掃除に洗濯で忙しかったです。
 
 午後から買い物に行きました。繁華街は何故か大変な人出です。今週ずっと雨で外に出られなかった反動なのかもしれません。今日は特定に祝日などでもない単なる土曜日なのですが、人出は半端ではありませんでした。それに警察官が大勢出ていたのにも驚きました。年末の特別警戒以外にあんなに大勢の警察官が出ていたのは初めてです。
 
 普通の警察官の他に特別警察(特警と刺繍があります。日本でいう機動隊のようです。)に軍人さんまでいました。(といっても非武装です。)警察官でも今日見たのは、普段は内勤の管理職ぽい人でした。ちょっと太り気味の中年おじさんたちです。階級章をみても警察署の課長さんクラスです。
 
 さて今日は、中国経済に関する新書を読んだので、それに関連して書きます。まず中国が人口のボーナスを受けているとの意見です。高度成長をとげた国のほとんどが、若者人口が極めて多く、高齢者が少ない人口構成の時代を過ごしています。ちょうど1970年代の日本がそうです。団塊の世代が20代前半だった頃です。
 
 中国のおじさんの街も若者があふれています。すでに結婚して赤ちゃんがいる世代も多いです。またお腹の大きな女性も多く、後数年はこのような状態が続くと思います。しかし、文革終了後一気に増えた人口の多い世代が30代を超えるのも10年くらい後です。今一人っ子政策開始後に生まれた子供が結婚適齢期に入っています。
 
 この波が過ぎると次は人口減少期に入るでしょう。中国の女子大生に聞くと、現代の日本の親に比べてまだ、結婚への圧力が強いようです。それに意外なことにお見合いが盛んです。男女とも働いているので、出会いの機会が少ないようです。結婚して子供を作り、その子の面倒を見るのが親の最大の喜びのようです。
 
 次に地下経済について書きます。このように書くと何だか犯罪の匂いを感じますが、そうではありません。経済統計に表れない経済があることについて書きたいのです。経済統計に表れる数字は、きちんと政府に報告されたものです。商売で言えば、きちんと帳簿をつけて、税を申告してはじめて、数字が現れます。
 
 ところが、おじさんが見るところ、とても収支決算などしていないと思われる小規模商店が余りに多いことです。はやっているお店でも、店のお姉さんが、現金を手にもって、次々にお客さんから代金を集めます。これではいくらでも収入をごまかすことができます。また、天秤棒一本に野菜や果物をぶら下げたり、手押し車に乗せて道端で商売をしている人も大勢います。(その人達の品物も良く売れています。)
 
 さらには、ちょっとした台に調理台を置いて食べ物を売ったりしています。おじさんのマンションの下で野菜を作っている人達も、どうも自家消費にしては量が多すぎます。ツマクマとあれは、市場に出して売っているのではないかと話合っています。
 
 農民も、自分達で作った作物を、天秤棒で担いで売れば、良い現金収入になります。中国の野菜は日持ちしないので、市民はいつも小口で買っています。値段は1元(12円)くらいですが、毎日30元くらいになれば、ひと月で900元近くになります。1年だと1万元近くになります。中国では1日40元(500円くらい)あれば暮らせます。
 
 つまり、中国では統計に表れない膨大な経済活動がなされているということです。特に税務当局もそんな零細業者にまで目が届かないので、野放しだと思います。それ以上にちょっとしたレストランでも領収書をいらないと言えば、代金を負けてくれます。
 
 領収書の不要なお金は、収入に換算しないのです。こんなことは当たり前なのです。逆に厳密な税金の取り立てなどしたら、市民の反発を買うことになるでしょう。やはり中国は「上に政策あれば、下に対策あり」の国だと思いました。
 
 今日は6時から地区の日本人教師の食事会があります。