新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

歴史は繰り返す・・歴史の暗合

 今日も朝は濃霧で、午後からはセーターがいらないほど暑くなりました。大学の構内は相変わらず企業の就職説明会が花盛りです。今日は何と大型のアーチ(ビニールのドーム型の中にエアーを入れます。)で企業就職説明会を宣伝していまいした。A区の分は、中国でも有数の中国建設銀行です。中国では、中国工商銀行中国銀行、中国交通銀行中国農業銀行などが大手です。
 
 B区のアーチは建築関係の会社の就職説明会でした。日本と違ってある会社などは英語に資格を最初から書いていました。中国の英語検定のレベルは知りませんが、英語4級か6級資格が求められていました。日本語学部の学生さんは就職活動には苦戦しているようで、まだ決定者はいないようです。
 
 文系であれば、財務とか法務あるいは人間資源(人事)などの専門職が求められているようです。語学関係は旅行社や日系企業が主な就職先なので、不況でかつ中国とトラブル中の日本では就職が難しそうです。
 
 さて、今日は来週から日本概況で歴史を教えるので、何となく歴史の本を読んでいました。すると、ふとあることに気がつきました。日本の大きな断裂は現在二つあります。一つは開国から明治維新、次が敗戦と戦後改革です。そこで明治維新から敗戦までを数えてみました。
 
 明治維新が1868年で敗戦が1945年です。その間77年間あります。なんだか人間の人生のようです。男性の平均寿命はもう少し長いのでしょうが、ほぼそれに相当します。つまり、日本が新しい国家となって、幼少期から青年期、壮年期を迎えて、破たんした時代までです。
 
 今度は逆に敗戦から考えてみました。今は敗戦後65年です。そこで明治維新から65年後何が歴史の上で起こっていたのでしょうか。1933年は何と軍の一部が当時の政府の無断で行った中国東北部の列車爆破事件です。そして、その前年にはやはり、政府に不満な軍の一部が起こした5・15事件の年なのです。
 
 政府に反対なグループは政府に無断で次々に事件を起こして行きます。特に5・15事件では事件を起こした被告に対して世論は好意的でそれに追従した政府は強い処置を取れませんでした。それが、2・26事件さらには、日中戦争の拡大へと進むのです。
 
 政党政治は、政権を争うばかりで、困難に対処できなかったのです。現在の日本と暗合しています。国民は政治に対する信頼を失い、その矛先は今海外へ向かおうをしています。それを助長するグループもあります。もちろん、戦争になったりすることはないでしょう。
 
 しかし、もし歴史の暗合が正しければ、12年後に日本は破たんします。もし、破たんするとすれば経済的な破綻でしょう。膨大な財政赤字からインフレとなり、最後にIMFの管理下におかれるという状況が一番考えられそうです。IMFが、公務員の大幅削減と給与のカット、農業保護の停止、社会保障費の減額などを迫った時、政府はどうするのでしょうか。
 
 かって、国際連盟を脱退したいように、IMFの勧告を拒否して脱退し世界で孤立するのでしょうか。もちろん国民世論はそのような勧告には大反対でしょう。勧告を受け入れるならば政府の支持率は一ケタ台になるでしょう。もし、歴史に習うなら、そのような国民世論が全て反対するような政策でも国が破たんする前に受け入れなければならないでしょう。
 
 かって日本は中国からの撤退を迫られたのにそれを拒否しました。これまでの行きがかりから仕方なかったのです。今回もし同じように行きがかりから、このような流れを拒否するなら、ハイパーインフレが待っていると思います。これが杞憂に終われば幸いです。
 
 明日は食べるものがなくなったので買い物に行きます。