新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国に住んで最近感じたこと

 今日は珍しく朝からよい天気でした。今日は午前10時過ぎからの授業なので少しのんびりできました。今日はまず、最近の対日本関係についていくつか気がついてことを書きます。いつも書いていますが、外交はあらゆる手段を使ってサインを出してきます。昨日見た中国中央電視台の午後7時(これは中国の一番公式のニュースです。)の15分過ぎたところで、日本の海上保安庁の巡視船が荒海の中中国人船員を救助しているニュースを流していました。
 
 ヤフーニュースの国際部門でも、このニュースについて中国国内でも日本に感謝すべきの答えが、ネットアンケートでもかなりあったと報道していました。この日中関係が微妙な時期に、中国政府の広告塔ともいうべき7時のニュースで日本のそれも問題になっている海上保安庁の活躍を流すこと自身、中国側の今回の問題を穏便に収めようというサインが出ています。
 
 多分中国側もたとえ日本政府がビデオを公開しても、これ以上追及しないというサインでしょう。中国のこの7時のニュースは、中国首脳の活動を国民に知らせる大事な番組です。その最後ではなく、30分しかない番組の真ん中で報道することにも意味があります。日本でもそうですが、当然ながら重要度の高いニュースから流すからです。
 
 今一つは、中国の大学生が現在の日本についてどう考えているか良く分かることがありました。ご存じの方も多いと思いますが、お隣韓国では長い間日本の歌謡曲を堂々と流すことが禁止されていました。おじさんの考えでは、反日感情の点では韓国の方が中国より強いと思います。さて、本題ですが、今日授業が終わって、マンションに帰ろうと思ったら、何と昼の大学放送で日本の歌謡曲が流れてきました。歌の名前も歌手も知りませんが、間違いなく日本語で歌っていました。
 
 おじさんの街は過去の事情から中国でも反日感情が強い街として知られています。その街の大学のそれも今のような微妙な時期に、スピーカから響き渡るような大きな音で日本語の歌声が聞こえてくるのです。おじさんは一瞬固まってしまいました。ウソだろうと思いました。でも間違いなく日本語の若い女性の歌手の歌でした。
 
 日本の方は中国の大学構内と言えば反日ビラが貼られているだろうとお思いでしょうが、ほとんどの学生さんは無関心です。街の人も、そもそもアジア系外国人だと韓国人と日本人の区別がつかないのです。よく、おまえたちは何人かと聞かれます。この街の大部分の人には日本語と韓国語の区別がつかないのです。
 
 もちろんこれは庶民のレベルで、大学生なら分かるとおもいますが。昨日も市場に行ってツマクマが様子を写真にとりました。もちろん、写真をとって良いか聞きましたが、もちろんOKです。市場はまさに庶民の中の庶民の街です。この市場の人は、最初(2年前)に大学の同僚の先生と一緒に来ました。
 
 そして、同僚の先生が、今度日本から来たうちの先生だよ、よろしくねと紹介して回ったので。ですから、市場の人は、ほとんどおじさんたちが日本人だと知っています。おじさんの住む市には日本人は600人ほどで、この地区には数人しか日本人がいないので、おじさんたちのことを一度聞いたらまず忘れないでしょう。
 
 今回のことがあったからと言っても態度が変わったりすることもありません。もちろん、最初にこの先生と一緒に市場に行かなかったら、絶対に行くことはなかったでしょう。日本にいる方々の考える中国での日本人観と中国で庶民と一緒に暮らす日本人のみる日本人観とは差があるようです。
 
 これは、中国在住の他の方の書くブログやコメントでも同様です。ただ感想は個人差(出会った中国人の方の対応差)があるので何とも言えません。少なくとも中国では教師というだけで尊敬され、まして最高学府の大学の先生ですから、たとえ日本人であっても街の人の対応も違うともいえます。(大学町なので)
 
 明日は午前中授業で、木曜日は地獄の7時間授業です。