新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国卒業論文題目報告

 今日は朝から天気が良かったです。洗濯物もおかげで乾きました。今日は一日忙しい日でした。本来は午前中1コマ(45分×2時間)だったのですが、先日から書いたように、卒業論文指導が2コマ入って大変でした。
 
 それで、今日は朝8時からの授業で11時50分までと、午後は4時半から6時20分まで働きました。卒業論文指導は、日本語学部の先生が手分けしてやります。日本人教師ではおじさんだけが担当します。以前は卒業論文の構成などの話しをしたのですが、今回はテーマ設定についての指導をしました。
 
 これはとても有難かったです。と言うのはこれまで、テーマが決まった後に学生さんを派遣されるので、こんなテーマだととても指導は無理だというのがあったのです。事前に分かっていれば、何か指導できたのにということがありました。今回はその点、決定前なので助かりました。
 
 とりあえず、テーマ決定に重要なポイントだけを説明して個別指導に入りました。テーマ設定のためには、まずどんなことを明らかにしたいのか、またそれはどのような方法で行うのか、そのテーマについてはどのような見通しをもっているのか(仮説・結論予想)などについて考えなければならないのです。
 
 去年は6人の学生さんを与えられて大変でした。中国人の先生は3人くらいなのですが、他の日本人の先生も5人程度指導していました。今年は日本人の先生が4人になったので、何人くらの学生さんを指導するのか不明です。それでも最低5人は指導しなければならないと思います。
 
 さて、本題の卒業論文テーマですが、今年は例年になく文学・語学関係の専門的なテーマが少なかったです。去年もおととしもかなり専門性の高いテーマがあったのですが。おじさんが指導した学生さんで言えば、「夏目漱石漢詩について」だとか「日本人の死生観についてー墓を中心にー」のようなものがあったのです。
 
 今年は文学としては、「大江健三郎」や「村上春樹」を取り扱うものがありました。以前指導した学生さんは「雪国の女性像の分析」などをやったものです。「人間失格」を扱う学生さんもいます。太宰については、多くの選考研究があるので、新しい何かを見つけるのはちょっと難しいかもしれません。
 
 ある動物などが日中でイメージが異なる点を取り上げて検討するテーマもありました。一人の学生さんは「亀」について、もう一人の学生さんは「牛」についてです。動物のイメージは国によって微妙に違うのでおもしろいと思いました。材料は、諺や格言などです。慣用句なども使います。
 
 書道などの日本文化を取り上げる学生さんもいます。ただ書道などは、何を研究するか難しいところです。書道のかな書きについてやりたいというのですが、それをどのように論文の形にするかは難しいです。困ったテーマとしては「エヴァンゲリオン大ヒットの研究」などです。この学生さんは、ヒットの原因分析をするのだそうです。私は名前しか知らないのでどう指導して良いかわかりませんでした。
 
 「竜馬が行く」における司馬氏の英雄主義と史実の混同についても研究もどうするのだろうという印象です。中には、日本刀の研究を通して日本の精神文化を研究したいとか、日本の生食文化と他の国の食文化を比較するなどというユニークなテーマもありました。
 
 今日1日で40人以上の学生さんのテーマについてコメントしたので本当に疲れてしまいました。おまけに木曜日授業があるので、スピーチコンテストの審査員にならなくと済むかと思ったら、授業は別の日にしてこちらの方に出てくださいと言われました。おかげでまた仕事が増えました。
 
 明日は午前中1時間だけなのでちょっとゆっくりできそうです。木曜日は午後スピーチコンテストの審査員で1日仕事です。