新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

就職活動の思い出ー面接編

 今日も朝から太陽がでて(おじさんの街は霧都と言われるくらい霧が多いのです。)晴れていました。今日も学生さんは、バトミントンコートでふとんや毛布を干していました。日本では就職説明会に大勢の人が集まるようです。こちらでは、企業は特定の大学に絞って就職説明会をやっています。ビラに就職説明会をする大学の名前と日程が書いてあったりします。日本で特定の大学だけで就職説明会やったりマスコミの袋叩きにあうでしょう。こちらでは就職説明会後、筆記試験に面接までやり内定も出す会社もあります。
 
 日本と逆で理系の就職は好調です。特におじさんの大学の看板の建築関係学院(土木・建築・都市工学・地質など)は絶好調状態です。ソフトウエア学院(中国語では軟件学院といいます。)は学生さんの話ではすでにほとんど就職が内定したそうです。
 
 一方公務員関係では、最近「村官」という名前が良く出ます。以前「中央公務員」という言葉と一緒だったので、「中央公務員」から「村官」が派遣されると勘違いしました。学生さんに聞くと「中央公務員」は公務員予備校の名前で「村官」はやはり村人民政府(日本の村役場)の職員のことでした。
 
 村役場の職員でも人気があるのか聞いてみると、余り人気はないそうです。試験に合格して村役場に勤務しても、その間に勉強してさらに上位の公務員を目指すそうです。中国でも職種(刑務官など)によっては、人気がないそうです。
 
 さて、昨日に続いて就職関係の思い出です。教員も含めて公務員の場合、原則として筆記試験合格者に対してしか面接はしません。しかし、おじさんが受験した名古屋市の教員採用試験は、筆記試験の後すぐ面接試験がありました。多分遠くからくる受験生のためだと思います。この時は最後に試験官から「よろしくおねがいします。」と言われたので、多分合格だろうと思いました。(事実合格でした。最終的には辞退しました。)
 
 都市部では小中学校の男性教員が極端に不足していたのです。おじさんが聞いた話ですが、都市部の小学校の採用試験を受けて面接まで行き、何か質問はありますかと聞かれて、採用されたら校長に将来なれますかと聞いた人もいたそうです。何とその答えは「手が後ろにまわるようなことをしなければ大丈夫です。」と言われたそうです。(一種の就職伝説かもしれません。)
 
 とにかくのどかな時代でした。おじさんが勤めた県の採用試験の面接は、筆記試験合格後でした。筆記試験の時、前に座っていた秀才そうな学生さんは、西日本で有名な元高等師範の大学の人でした。この大学は高校教員を多く出すので有名なのです。間違いなく筆記試験に合格して、面接に来るだろうと思ったら、来ていませんでした。
 
 逆に、面接試験の時派手なネクタイで、おまけに有名な民族系大学国○舘大学の学生さんがいました。態度は大きいし、間違いなく面接で落とされると思ったら、新任研修会に来ていました。就活サイトにある通りだれが合格するか分からないですね。
 
 おじさんが勤めた県の面接試験は相当厳しかったです。3人面接官がいて、一人が質問し、一人がこちらの意見に鋭い突っ込みを入れてきます。もう一人が記録していました。例えば「教育公務員と一般公務員の権利で違いは何ですか。」と専門的な内容の質問があります。おじさんはあがっているので、「結核で休職した時とれる年数です」と答えました。(間違いではないのです。)すると即座に突っ込み専門の面接官が「違うでしょ。研修の権利ではないですか」と来ます。
 
 また、なぜあなたは遠い県からこの県を受験したのですかと質問されたので、とっさに近くの別の県(電車で40分くらい離れている)に住む兄がいるからですと答えたら、また突っ込み専門の面接官が「それではなぜその県にしなかったのですか」と来ました。おじさんは完全にもうこれは駄目だと思いました。
 
 後で考えれば、よく言われる圧迫面接のやさしいやつだったのです。勉強一筋の当時のおじさんには想像もつきませんでした。今考えれば、多分どんな答えをしても突っ込まれたのだと思います。突っ込まれた時の反応を見るための試験だったのでしょう。
 
 おじさんも逆に教師になって、推薦入試の面接などを多くしました。おかげで、面接官が何を見ているのかよく分かりました。それで、何度かあった自分の面接もうまく乗り切ることができるようになりました。不思議なもので、立場が変わる(面接を受ける側から面接する側へ)と受験者の姿がよく見えるのです。
 
 面接がうまくいかない人は、立場を変えて模擬面接をやってみるといいと思います。面接もコツがあって、それをつかむと結構次々に面接を通過できるのです。内定をもらえる学生はいくつも貰うし、貰えない学生は全然もらえない理由もそこにあるのです。つまり面接官が好ましいと思う受験生には決まったパターンがあるのです。
 
 もう字数の関係でこれ以上書けませんが、今面接で苦しんでいる方、頑張ってください。きちんとした態度、はきはきした物言い、自信のある態度、良く相手のことを調べている雰囲気、これらはどこの世界の面接でも絶対必要です。ひとこと言えるのは、面接の点が良くて採用(合格)させても期待はずれなことも結構あります。
 
 明日は地獄の木曜日です。