新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

素人経済評論家のデフレ分析

 今日は一日朝から雨でした。午後から買い物に出かける予定だったのですが、色々あってとうとう出かけるチャンスを失いました。それで今日は一日マンションの部屋で過ごしています。朝は8時半に起きて朝食準備、洗濯、掃除と進んで、ちょっと休んでいると、共同で問題を作成している先生から問題(4年生の総合日本語)作成完了のメールがきて、それを点検しているとすでに10時を回っていました。
 
 次に先日大学院生(3年生・・中国の大学院の修士コースは3年制)の方から頼まれた雑誌投稿論文の添削です。小論文というので、A4で3枚くらいかと思ったら、8枚もありました。作家の宮城谷さんの著作に関する論文です。彼の作品に現れた「風」の描写に関する論文です。
 
 なかなか立派な論文で真剣に読んでいるとあっという間に12時になりました。それでも何とか添削して返送しました。昼食はラーメンとトマトと卵の炒め物です。とにかく自分で作って、食べて、後片付けなどで、1時間くらいあっと言う間に経過しました。次は午後から指導学生さんの大学院入試予想問題(おじさんが過去問を参考に作ったもの)の点検と指導です。学生さんが出来なかった問題は、こちらで調べて解答を作りました。
 
 とにかくそうしているうちにすでに3時半を過ぎ、ちょっと一息いれてこれを書いています。さて、最近デフレについて色々おもしろい意見を見ました。それでおじさんもちょっと書いてみたくなったのです。ご存じのようにデフレは簡単に言えば、「お金の価値が上がって、物の値段が下がる」ことです。インフレは反対に「お金の価値が下がって、物の値段が上がる」ことです。
 
 この原因については、これまで政府がどんどんお金を市場に出さないからだという意見が強かったです。政府は膨大な財政赤字を出しながらお金を市場に出し続けたのに、少しもデフレは解消しません。まだ足りないという意見もあります。とにかく貨幣(お金)が市場にあふれるほど出回れば、相対的に物の値段が上がると考えたようです。
 
 しかし、最近ではデフレの原因は、お金が市場に出回らないのではなく、需要(皆が物を買うこと)がないからだという意見が出ています。その最大の原因は人口構造にあるというのです。いつも日本経済に衝撃を与えていた、団塊の世代が定年退職して(おじさんもそうです。)需要が減少したというのです。つまり、最大の人口の塊が物を買わず、若者は給料が安かったり、正規雇用でなかったりして、物を買わない、日本全体で需要が減少しているというのです。
 
 おじさんはこの意見に賛成です。おじさんも年金生活者(中国での給料は日本のお金に直すとわずかです。)ですから、日本に帰れば節約生活です。それに、中高年の人もいつリストラに会うかわからないし、教育費も大変です。若者も正規雇用でない人が多いです。
 
 また、需要が減少している他に、政府がデフレ対策を真剣にやっていないという意見もあります。それは、選挙に行く高齢者がデフレを歓迎しているからだという意見もあります。実はインフレの場合、被害者はほとんど全国民です。(土地や株式を大量に持っている人は例外)それに比べて、大企業の社員や公務員、年金生活者のように給与が安定的に出る人にとってデフレはお金の価値があがるのですから、何の不満もありません。
 
 また、日本は全体の空気に流される国ですから、今は節約の時代だと言えば皆物を買わないでしょう。それに、是非買いたいと国民全体が思うものはありません。こう考えれば、一部の経済学者がいうお金を極端に言えばヘリコプターでばらまいてもいいから、市場にあふれださせればデフレは終焉するというの間違いだと思います。
 
 今であれば、ばらまかれたお金を皆貯金するでしょう。物は買わないのです。ではインフレになる可能性はないかと言えばあります。しかし、それは日本にとって不幸な事態です。かって狂乱物価の時代がありました。例えばオイルショックです。もし、中東で戦争が起こったり、東南アジアで動乱が起こってマラッカ海峡が封鎖され、石油が入って来なかったら、あっという間にガソリン価格が上昇し、それにつれて物価の上昇が起こるでしょう。
 
 また、日本が異常気象になって、作物が大不作になったらこれも食料品を中心に物価上昇が起こるでしょう。景気は気なので、インフレになりそうだと国民が思うだけで買いだめに走り、インフレになるでしょう。しかし、それは庶民にとって大変な時代です。財政赤字がどうにもならなくなって、国債の価格が暴落し、急激な円安になっても、輸入価格が上昇し、これもインフレの原因になります。
 
 インフレはマイルドなインフレなどあり得ないと思います。一端インフレ傾向が出始めると、急激に物が値上がりすると思います。(仮需要の発生・・必要ないがとりあえず値上がりする前に買っておこう。)人口がこのまま減少して行く限り、デフレを食い止めるのは困難でしょう。それに前述したように、日本がこれからインフレになる時は、緊急事態なのです。
 
 今民主党バッシングの嵐ですが、だれが政権を握ってもこの困難を克服するのは難しいでしょう。それは、以前から書いている、二項対立(対立する二つの考え)のどちからかを選らばない限り今ある根本的な問題は解決しないのです。そして、どちらを選んでも困難であり、政権の一つや二つ吹き飛ばすだけの反発があります。おじさんにしてみれば、不人気ついでに、一気に問題を解決して政権を手放したら良いと思うのですが、職業としての政治では無理でしょう。(それは会社で言えば倒産・・野党、社員は失業・・落選となるからです。)
 
 中国はもちろんインフレです。今人口のボーナスで若者がどんどん物を買うからです。中国にいると老人大国日本はどうなるのだろうと思います。(政治家でもないおじさんが考えても仕方がないのですが。)明日は日曜日なので、教会へ行きます。